遠州灘の防潮堤、完成祝う 浜松一丸で推進
静岡県と浜松市が3月末までに遠州灘沿岸で建設を終えた防潮堤の完成報告会が15日、浜松市内で開かれた。川勝平太知事や鈴木康友市長ら関係者が完成を祝った。同市が創業の地であり、整備費の原資として300億円を寄付した一条工務店グループには県と市が感謝状を贈った。

防潮堤の工事着手は2013年。東日本大震災後に一条工務店グループから巨額の寄付の申し出を受けたことがきっかけ。浜松商工会議所も、会員企業から寄付金を募り整備を後押しした。
防潮堤は天竜川の河口から浜名湖の今切口まで全長約17.5キロメートルに及ぶ。高さは13~15メートル。宅地の浸水面積を約8割低減し、浸水の深さ2メートル以上の区域を98%減らす効果を見込んでいる。
川勝知事は「一条工務店の寄付を呼び水とする市民全員の浄財でできた。長く受け継がれる防潮堤になるだろう」と強調した。鈴木市長は「課題や困難を関係者が一丸となり乗り越えた。感無量だ」と語った。
報告会を15日開いた遠州灘海浜公園では、浜松商工会議所が建てた記念碑の除幕式もあった。