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上場企業、38%減益 4~9月期最終 製造業半減 コロナ負の連鎖

2020/11/16 22:00
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上場企業の2020年4~9月期決算は、純利益の合計額が前年同期比38%減の10兆808億円となった。新型コロナウイルス禍が企業業績を直撃し、上期としての減益幅は金融危機後の09年(65%減)に次ぐ。産業の裾野の広い自動車の苦戦が鉄鋼や部品に連鎖して製造業の純利益は半減した。赤字企業は全体の3割に達し、鉄道や空運の不振が深刻だ。

日本経済新聞社が13日までにほぼ出そろった1673社(新興市場、親子上場の子会社など除く)の決算を集計し、四半期決算の開示が義務化された08年以降と比較した。合計の売上高は15%減の260兆4951億円だった。

最終減益は4半期連続となる。「鉄鋼」や「空運」など6業種(前年同期は「造船」のみ)が赤字だった。赤字企業は全体の27%(460社)を占めており、上期では09年の35%に次ぐ高い水準だった。

製造業の純利益は54%減だった。「鉄鋼」と「造船」「輸送用機器」の3業種が赤字だった。減少幅では「自動車・部品」の94%減が最も大きく、「石油」(92%減)なども不振が目立つ。

トヨタ自動車は減益幅が5201億円となり上場企業で最大だった。日産自動車は3299億円の最終赤字だった。日産の内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は「販売台数は下期にほぼ前年並みに戻ると想定しているが通期では上期の減少分が大きく残る」と語った。

自動車会社の減産の影響は部品や素材を供給する企業にも波及している。日本製鉄JFEホールディングス神戸製鋼所の鉄鋼大手3社はそろって赤字になった。赤字額の合計は3120億円に達する。造船は3半期連続で赤字が続く。中韓勢との受注競争にコロナ禍が追い打ちをかけた。

非製造業は28%の減益だった。「鉄道・バス」と「空運」「鉱業」の3業種は赤字だった。減益幅は原油などの資源安や車関連事業で苦戦を強いられた「商社」(49%減)が最も大きかった。

JR東日本JR東海JR西日本は3社とも赤字が1000億円を超えた。空運もANAホールディングス日本航空を合わせて3497億円の赤字だった。航空機の需要減が関連産業も直撃し、三菱重工業は570億円、IHIは95億円の赤字。「今期は航空エンジンの売り上げが前期比6~7割落ちそう」(IHIの山田剛志副社長)

一方、「巣ごもり」需要などで増益を確保した業種もある。「通信」の利益額は2倍となり業種別で最大だった。ソフトバンクグループが「ビジョン・ファンド」の損益改善などで約1兆4000億円の増益になったことが大きい。在宅勤務の広がりで通信量が増えたことなどもあり通信の純利益の総額は約1兆4000億円増加した。

製造業でも「食品」(15%増)と「電気機器」(13%増)は増益となった。即席麺が国内などで好調だった日清食品ホールディングスは63%増加した。ソニーはゲームが伸びるなどして約3500億円の増益となった。

みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは「上期は航空や鉄道など『リアル』な産業から、IT(情報技術)や通信など『バーチャル』な業種に需要が移った決算だった」と指摘。そのうえで「足元では感染再拡大の懸念が広がっている。下期はシャープな回復は難しい」とみている。

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