年末恒例 桐谷さんが選ぶ「NISAで買いたい優待株」
年120万円の非課税枠をフル活用

非課税メリットを享受しながら優待投資
どうも、桐谷です。今月のテーマは年末恒例の「NISAで買いたい株」。NISAは配当金と売却益に税金がかからないのがメリット。配当利回りが高く値上がり益も狙えそうな銘柄を選びたいですね。もちろん私が選ぶのは、優待もある銘柄が基本です。
今回は思い浮かんだ順に紹介しましょう。まず思い浮かべたのがエディオン。今年、優待を拡充した代表銘柄です。以前は1000円の買い物ごとに使える250円券12枚でしたが、3月から3000円分のギフトカードになり使い勝手がよくなりました。1年以上保有なら4000円分にアップです。
ダイキョーニシカワは配当利回りが4%台。優待は500円分QUOカードとさみしく感じますが、3年以上保有で1000円分になります。
ユニプレスは私も持っているのですが、高いところでは2000円ぐらいで買っていました。その水準からかなり安くなって配当利回りだけで6%程度になっています。優待は長期優遇制度もあり、長く持てばかなりの利回りになります。
カネミツは投資金額が6万円程度で配当利回り4%台。優待は500円分QUOカードですが、ここも長期優遇で1年以上持てば1000円分に。長期保有なら総合利回りは約6%になります。

株価低迷で高利回りが増えている銀行株
最近、銀行の株価が低迷していますね。銀行株の優待は主に2タイプあって、定期預金の金利上乗せか地元特産品か。地元特産品の優待は意外といいものがあります。株価が下がり利回りも高くなっているので銀行株からも選んでみました。
第四北越フィナンシャルグループは配当利回りが6%前後。1年以上の保有条件が付きますがカタログで新潟県特産品などを選べます。
次はひろぎんホールディングス。広島銀行を中核として10月1日に持ち株会社に移行しました。同日にめちゃくちゃいい優待導入も発表。金利上乗せか地元特産品かを選べ、他にも美術館招待券やプロスポーツ・音楽の観戦・鑑賞チケット抽選もある。発表後、「これはストップ高買い気配になる」と思い、比例配分で100株取れればいいと1000株の買い注文を出したところ……全部約定しました。それ以降も株価は下がり続けているのですが、なぜこんなに安いのでしょうか。私には理解できません。
百十四銀行の優待は今年、変更の発表があり半年以上保有の条件が加わりました(22年以降は1年以上)。優待カタログは香川県の特産品です。
次はゴールドクレスト。2017年には2700円台まで株価が上がりましたが現在は半分。私は株価が下がり利回りが高くなった銘柄を買うのが好きなので、この銘柄を入れました。
共栄タンカーは投資金額7万円台で配当2000円、優待でQUOカード2000円分がもらえます。投資金額7万円台の株で2000円分のQUOカードがもらえるなんて驚きです。
最後にヨンドシーホールディングス。この株も長く保有しています。配当利回りは4%台、優待は2000円相当の自社商品か買い物券、または寄付。私は自社商品と買い物券を交互にいただいています。
はみだしコラム「私のNISA枠の使い方」
NISAスタートは2014年。今でこそ株式売買の手数料無料をうたうネット証券はありますが、当時はそれなりに手数料が必要でした。私は手数料を支払うのが「もったいない」と思うタイプ。その頃、私が使っていたネット証券は、NISAなら手数料が無料になり、売却益も非課税。これはいい、とすぐに使い始めました。
NISA枠で初めて買ったのはイオン。平均買値1080円で500株買い、株価は倍になりました。大成功でしたね。アベノミクスの始まりで、相場自体が良かったこともあるでしょう。その後、NISA枠で買った株を見ると、18年に買った銘柄は結構含み損を抱えています。悲しいかな、売却益非課税の恩恵はあまり享受できていない状況です。
元プロ棋士(七段)。1984年の失恋をきっかけに株式投資を始める。現在900以上の優待銘柄を保有し、その優待品で日々の生活をほぼ賄っている。癒やされる人柄も人気の理由。71歳。
(佐藤由紀子)
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