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RCEP、15カ国首脳が署名へ アジア貿易の転換点に

15日、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の首脳会合がオンラインではじまった

日本など15カ国の首脳は15日、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の署名をめざし、オンライン形式での会合を開始した。発効すれば、世界の国内総生産(GDP)や貿易額で3割を占める大型の自由貿易協定(FTA)が発足する。

RCEPは当初、東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と日中韓、オーストラリア、ニュージーランド、インドの16カ国で交渉を開始した。インドは関税引き下げによる貿易赤字の拡大を懸念し、2019年秋に交渉を事実上離脱。20年も公式会合に出席せず、今回の参加を見送った。日本にとっては貿易額で1位の中国、3位の韓国と結ぶ初のEPA(経済連携協定)となる。

日本はインドの参加で中国をけん制しようとしたが、インドが交渉から離脱し、中国・韓国との貿易拡大で実利をとる戦略に転換を迫られた。一方、中国は米国との対立が続くなか、アジアでの協調を優先。米国抜きの枠組みづくりを急ぎ、中国の影響力の及ぶ経済圏構築に力を注ぐ。米国が大統領選の結果を踏まえ、アジア太平洋地域での貿易にどう関与するかが今後の焦点になる。RCEPが発効すれば、中国の存在感が増すとみられ、アジア貿易の様相が大きく変化する可能性がある。

RCEPの枠組みでは、中韓ともに9割程度の工業品で日本から輸出する際の関税を段階的に撤廃する。特に自動車部品などの輸出拡大への期待が大きい。中国への輸出では、現在は3%程度の関税がかかっているガソリン車用のエンジン部品の一部などについて発効時に関税撤廃する。

食品に関しても、中国向けの日本酒やホタテ、韓国向けの焼酎などの関税を段階的に撤廃。輸入に関しては、コメや麦などのいわゆる「重要5品目」は関税引き下げの対象から外す。農業生産国が多い事情に配慮し、農林水産物の高度な自由化は見送った。

工業品や農林水産品の関税削減・引き下げに加え、データの流通や知的財産など計約20の分野で共通のルールを設ける。投資企業への技術移転要求を禁止するほか、コンテンツやデータなどのデジタル情報に関し、国境を越えた自由な流通の確保を各国に求める。

輸出拡大への期待が大きい(大阪港のコンテナ)

日本はインドを含めた16カ国による署名を求めてきた。インドが交渉に復帰しなかったため15カ国による発足となった。

(学頭貴子、ハノイ=大西智也)

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