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自治体、福祉施設の検査拡充 クラスター予防策

各地の自治体が福祉施設などを対象に、無症状でも新型コロナウイルスの感染状況を調べる検査を拡充している。感染が再び急拡大するなか、福祉施設でのクラスター(感染者集団)発生も目立つ。入所者は重症化しやすい高齢者らが多く、検査で陽性者を早期に発見し、感染拡大を防ぐ。

14日までの5日間で1000人以上の感染者が発生した北海道。10日には札幌市内の特別養護老人ホームで、入所者と職員で計50人以上が感染するクラスターが生じた。

高齢者100人が入所する介護付き有料老人ホーム「SOMPOケア そんぽの家 苗穂」(同市)の青木聖治ホーム長は「職員の感染リスクも高い」と警戒する。万が一クラスターが起きて職員に感染が広がれば施設の継続が難しくなり、高齢者の家族らの負担も増すことになる。

全国のクラスターの発生件数は10月中旬ごろから増え始め、11月2日までの1週間では103件と前週の1.6倍に急増した。100件を超えたのは8月下旬以来だ。場所別では企業(29件)や飲食店(20件)に次ぎ、福祉施設(18件)が3番目に多い。

厚生労働省の専門家組織も感染再拡大の要因にクラスターを挙げ「会食や職場、外国人コミュニティー、医療機関や福祉施設など多様化や地域への広がりがみられる」と指摘。同省は感染が拡大している地域では、職員や入所者を対象に幅広く公費で検査を実施できるとしている。

神戸市は11月中に、介護施設や障害者施設の職員を対象に新型コロナ感染の有無を調べるPCR検査を始める。対象は市内の介護付き有料老人ホーム、障害者施設などの計128施設の職員、最大1万1000人。4カ月に1回程度調べ、費用の全額を公費で負担する。全国の政令市で初の取り組みだ。

市内では今夏、有料老人ホームでクラスターが発生。軽症であっても集中治療室(ICU)の病床を埋めるケースが増えた。高齢者が集まる施設での集団感染を防ぐためには「積極的にPCR検査を回して、職員の感染の状況を把握することが大事だ」(久元喜造市長)。

今夏の第2波でも感染拡大が進むにつれ、福祉施設や医療機関でクラスターが増える傾向にあった。足元では家庭内での感染が広がっており、福祉施設などへの波及を防ぐには対策が急務だ。

広島県も11月、介護施設などの職員向けに月1回の抗原検査を始めた。高齢者や障害者ら感染リスクが高い人が入所する県内475施設で働く約1万8600人が対象。県は症状の有無にかかわらず検査を手掛けることで「感染者の早期の囲い込みを進める」(地域福祉課)としている。

こうした検査を巡っては、東京都世田谷区が先行地域として知られる。10月から介護施設や保育所など1000以上の施設に勤務する約2万6000人を対象に、体調や感染の疑いの有無にかかわらずPCR検査をする事業を進めている。

4億円の事業費を投じて2021年1月まで行う予定だが、検査できるのは1人1回のみ。区内の通所介護施設では10月にクラスターが発生し、施設は約2週間の休業を余儀なくされた。検査をいかに継続するか、課題も多い。

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