米大統領選の勝敗「時がたてば分かる」 トランプ氏
【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は13日、大統領選の勝敗について「時がたてば分かる」と述べた。民主党のバイデン前副大統領の当選が確実になったが、トランプ氏は敗北を引き続き認めなかった。
トランプ氏がホワイトハウスで行った新型コロナウイルスに関する演説のなかで言及した。「どちらの政権になるのか誰が分かるだろうか。時がたてば分かるだろう。ただ、この政権では(経済)閉鎖はしないということは言える」と述べた。
トランプ氏が公の場で発言するのは、7日のバイデン氏の当確後で初めて。トランプ氏は演説後に記者団の質問を受けることが多いが、今回はペンス副大統領の発言が終わると、すぐに演説会場を後にした。
ツイッターでは支持者に対して「多大な支援に心が温まる」と謝意を示した。14日に首都ワシントンでトランプ氏の支持者による集会が計画されていることについて「立ち寄ってあいさつしようとするかもしれない」と書き込んだ。大統領選に関しては「不正があった」との主張を繰り返した。
一方で、トランプ氏の選挙陣営が選挙不正を主張して起こした訴訟を巡り、東部ペンシルベニア州で陣営の弁護団が13日までに裁判への関与をやめると明らかにした。西部アリゾナ州でも弁護団が弁護を取りやめることが判明している。
バイデン氏は13日、新型コロナの感染拡大について専門家から説明を受けた。声明では「現政権は現状がいかに深刻であるかをまず認識し、緊急の措置がいま必要だ」と指摘した。米国民に対して手洗いやマスク着用の徹底を呼び掛けた。
新型コロナの抑止に向けてバイデン氏は「(2021年)1月20日に大統領に就任すれば直ちに統一された国家的な取り組みを進めるため、私の力でできる全てのことを実行すると約束する」と強調した。

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