パナソニック次期社長の楠見氏「競争力を徹底強化」

パナソニックの次期社長の楠見雄規常務執行役員と津賀一宏社長は13日、大阪市内で記者会見を開いた。楠見氏は「競争力を徹底的に強化する」と意気込みを語った。主なやりとりは以下の通り。
――現状の課題は。
楠見氏「まだまだ収益性が低い事業がある。他社に比べて社会への貢献の度合いやスピードが後手に回っているということだ。色々な事業の競争力を徹底的に強化することに尽きる」
――パナソニックの成長の核は何か。
楠見氏「競争力がない事業を成長させようとしても、無理が生じて利益が出ない。一つか二つ、他社が追いつけない部分を持てば成長の核になる。それがみえない事業をどうするか考える必要がある。各事業がどうすれば他社に負けないものを持てるのかを見極めていきたい」
――新社長になる心構えは。
楠見氏「私1人で何かできるわけではない。大きな会社だが、社員に忖度(そんたく)なく色々なことを言ってもらえるような風土をつくりたい」
――なぜいま退任を決めたのか。
津賀氏「2018年に100周年を迎えた頃から、いつ交代してもいいと思っていた。(22年4月に)会社の形も変わり、次の人に何を託すべきかも決まった。改革を進めるには誰がふさわしいのかを指名・報酬諮問委員会で議論し、総意として楠見氏を選んだ。私が選んだわけではない」
――在任中の成果は。
津賀氏「ビジネスモデルの多様化だ。例えば(工場や店舗の効率化を支援する)『現場プロセス』はリカーリング(継続課金)型のビジネスモデルだ。(米グーグル元幹部の)松岡陽子氏を中心に人の困りごとに向き合う分野も挑戦領域に入った。会社全体の見える化も進んだ。収益を伴う成長をしたかったが、それは簡単ではないと学んだ」