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中部8地銀、貸出金1兆8900億増 4割強は無利子融資

中部地銀の貸出金が伸びている。9月末時点の残高は8行合計で22兆3500億円と、前年同月末に比べ約1兆8900億円(9%)伸びた。新型コロナウイルス対策で始まった実質無利子・無担保融資は8100億円と、増加分の4割強を占めた。公的保証で企業の資金繰りを支える一方、リスクに備え与信関係費用もじわりと増えている。

8行の貸出金の伸びは、貸出金残高が1兆5000億円前後の中京銀行や三重銀行を上回るほどだ。一定期間の利子の支払いと元本の返済を免除する無利子融資が弾みを付けた。愛知銀行は9月末までの1年間で約5200億円残高を増やしたが、3割が無利子融資だった。

無利子融資は5月に銀行や信用金庫で受け付けが始まった。国の財源で金融機関に利子が支払われ、信用保証協会の保証も付く。企業の負担はゼロで、金融機関は金利収入につながるため制度の活用が急増した。無利子融資以外の保証協会付き融資を合わせると、公的保証はさらに膨らむ。

中部地銀は自前融資(プロパー融資)を交えながらコロナ禍の資金繰りを支えた。足元では「企業の手元資金は総じて潤沢」(百五銀行の伊藤歳恭頭取)という。

焦点は下期(2020年10月~21年3月期)以降の景気動向だ。新型コロナの感染者は再拡大している。再び店舗営業や外出・移動が制限されれば休廃業や倒産の増加につながりかねない。

銀行が融資を回収できない場合に備えて計上する貸倒引当金と、不良債権処理のコストを合わせた与信関係費用が増えている。中京銀行は21年3月期に前期比7割増の31億円を見込む。永井涼頭取は「景気の先行きは不透明で回収の可能性を保守的に見積もった」と話す。名古屋銀行の藤原一朗頭取も「(倒産など)コロナの影響が出てくるのはこれから」と警戒する。

無利子融資の制度では3~5年後に公的保証が切れ、企業の負担が生じる。自治体ごとに制度は異なり愛知、岐阜、三重県の場合、利子支払いの免除は3年間、元本の据え置きは5年間まで。期間中に売り上げを戻すことができないと、支払いや返済の負担に耐えられなくなるリスクが高まる。

コロナ禍で中部地銀は相次ぎ劣後ローンなど資本性の支援拡充に乗り出した。公的保証だけでは急変する企業ニーズをカバーできず、各行の工夫が一段と求められる。十六銀行の村瀬幸雄頭取は「行員が再建計画の策定まで踏み込むなど、オーダーメードに近い支援が重要さを増す」とみる。

(湯浅兼輔)

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