日経平均、9日ぶり反落 国内感染の再拡大警戒
13日の東京株式市場で日経平均株価は前日比135円(0.5%)安と9営業日ぶりに反落した。国内を含め新型コロナウイルスの感染再拡大を警戒した売りが出ている。日経平均は前日までの8営業日の間に2500円超(11%)上昇。航空や鉄道関連を中心に売りが優勢となっている。
米欧で感染者数が増加しているほか、国内でも1日当たりの新規感染者数が12日に過去最高を更新。移動制限への懸念からANAホールディングスが5%安となるなど航空株下落が目立った。JR東日本、JR東海など鉄道株も軟調だった。
「ワクチンが完成しても経済的な苦痛がすぐに緩和されるわけではなく、市場は現実に引き戻された」。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストはみる。
景気敏感株の一角にはこの日も資金が流入した。前日に発表した2020年4~9月期業績が市場予想を上回った日産自動車は9%高まで買われた。中国などの設備投資増加の恩恵を受ける半導体関連も堅調だ。東京エレクトロンは上場来高値を更新した。
日経平均は引き続き約29年ぶりの高値圏にある。13日は日銀が上場投資信託(ETF)を701億円買い入れた。買い入れは11月に入り初。市場からは「業績が堅調な日本企業に対しては海外勢の関心が高く、日本株買いは途絶えないだろう」(ピクテ投信投資顧問の糸島孝俊ストラテジスト)との声もあった。