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米欧3中銀首脳、コロナ第2波を警戒 財政政策に期待感

(更新)
ECBフォーラムで米英の中銀トップと討論するラガルド総裁=ECB提供

【ベルリン=石川潤】米欧の主要3中銀のトップが12日そろって討論会に臨み、再び拡大する新型コロナウイルスへの強い警戒感を示した。ワクチンの開発に前進が見えるものの、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は「今後数カ月は厳しい状況が続くだろう」と指摘。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は「良好な金融環境の維持が極めて重要だ」と語り、粘り強く金融緩和を続ける構えをみせた。

12日に閉幕した金融シンポジウム、ECBフォーラムの討論会に、英イングランド銀行のベイリー総裁を含む3トップが登壇した。同フォーラムは例年、ポルトガルの観光地、シントラで開かれてきたが、今年はオンラインでの開催となった。

FRBのパウエル議長はこれまでの米国経済の回復が「我々の想定よりも速く強いものだった」と語った。だが、米国の新型コロナの感染者数が過去最高水準に達していることを指摘し「リスクは明らかに米国でのさらなる感染拡大にある」と警戒感を示した。

司会者はワクチン開発が経済見通しに与える影響を質問したが、パウエル氏は「中期的には良いニュースだが、不確実性が残っている」と慎重な姿勢をみせた。イングランド銀のベイリー総裁も「(ワクチンが)まだここにあるわけではない」と歩調を合わせた。

ECBのラガルド総裁は春先の「不確実性の海」に直面していた頃に比べれば、米大統領選挙が終わり、ワクチン開発にも前進がみられたことで「不確実性がいくらか減っている」と語った。「不確実性の巨大な川の対岸が見えてきた」状態だとも述べた。

ただ、危機が長引けば、倒産や失業が増加して金融機関の経営に悪影響が及ぶ可能性がある。景気悪化が一気に加速する事態にもなりかねない。ラガルド氏は「対岸への橋を架ける」ために金融政策と財政政策がともに重要になるとも語った。

パウエル議長も「我々はもっとやる必要があるし、議会ももっとやる必要があるかもしれない」と指摘。金融政策だけでなく、実際に需要を生み出すことができる財政政策への期待感を示した。

「活動を再開しても安全だと人々が確信できるまで経済が完全に回復することはない」(パウエル議長)。危機が長引くなか、中銀の緩和カードは残り少なくなっている。ベイリー総裁は「我々は(金融政策の)革新を続けていかなければならない」と話した。

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