旅行関連株、ワクチン効果一巡?
市場点描(マーケットの話題)
米製薬大手ファイザーによる新型コロナウイルスのワクチン実用化への期待から急騰していた旅行関連株が、12日は売りに押された。旅行大手のエイチ・アイ・エス、比較サイト「トラベルコ」を運営するオープンドアはそれぞれ7%安。この日は国内の新規感染者数が過去最多になるなど「第3波」の懸念も台頭し、株価へのワクチン効果は一巡したかにも見える。
政府の観光支援策「Go To トラベル」は対象地域の見直しの可能性も浮上している。旅行機会の減少につながれば個人消費の回復に水を差しかねないだけに、日経平均が8日続伸する中でレジャー関連株は総じてさえない。前日に決算発表した三越伊勢丹ホールディングスが5%下げ、連日で上場来高値を更新していたオリエンタルランドも反落した。
もっとも、ワクチン実用化の可能性が高まる中で、下値を売り崩す動きは見られない。11日の中国の「独身の日」のネット売上高は過去最高を大幅に更新した。市場では「中国人の消費意欲は強く、ワクチンが行き渡ればインバウンド需要の回復は大きい。国内のコロナ第3波は利益確定売りの口実にされただけ」(大和証券の石黒英之氏)との声が聞かれた。
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