首相「脱炭素社会へ支援」 ASEAN首脳会議
菅義偉首相は12日、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国首脳とのテレビ会議に臨んだ。「アジア各国の事情に即した現実的で持続可能な脱炭素化の取り組みを支援する」と述べた。国際会議で「2050年までに温暖化ガス排出を全体としてゼロにする」と改めて表明した。

首相は「自由で開かれたインド太平洋」に関し、ASEANとの連携を重視する考えを伝えた。中国の海洋進出を念頭に東・南シナ海の現状や香港情勢に懸念を示した。ASEAN側も複数の国が南シナ海情勢を取り上げた。
地球温暖化を巡って首相は「ASEANの協力を重視している」と指摘し、各国の温暖化対策を支援する意向を示した。「イノベーションを通じて経済と環境の好循環を加速する」と話した。
「日ASEAN連結性イニシアチブ」と題した支援策を説明した。
ASEAN地域のインフラ整備に関し、3年間で1千人の人材育成を進める。ベトナムの都市鉄道、インドネシアの港湾、ミャンマーの新国際空港など物流や人の往来を促す総額2兆円の事業に関与する。
ASEANは日本の資金支援を受けて域内の感染対策を担うセンターの設立を発表した。4月に開いた日中韓とASEANのテレビ会議で当時の安倍晋三首相が設立を支援する考えを示した。
感染症の発生源に関する調査や感染症の専門人材の研修、各国の研究機関との連携などを担う。日本は55億円を拠出し、センター設立後も日本の感染症研究の知見を提供する。
テレビ会議の議長国はベトナムが務めた。

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