愛と狂気と理性が渾然 映画「ばるぼら」
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冒頭に「愛は狂気を含み狂気には理性が含まれる」というニーチェの箴言(しんげん)が入るように、流行作家がホームレスの少女に心を惹(ひ)かれた末に身を滅ぼしていくさまが、現実と幻想、退廃と狂気の入り交じった世界として描き出される。
手塚治虫が1973年から翌年にかけて1年ほどコミック雑誌に連載した漫画を原作に、息子の手塚眞監督が実写化した新作だ。
小説家として人気を博す美倉(稲垣吾郎)は、ある夜、新...
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