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三越伊勢丹HDの4~9月期、初の最終赤字 稼ぐ力低下し手元資金流出

三越伊勢丹ホールディングス(HD)が11日発表した2020年4~9月期の連結決算は、最終損益が367億円の赤字(前年同期は75億円の黒字)だった。新型コロナウイルス禍で来店客が戻らず、売上高は3357億円と42%落ち込んだ。事業売却などで資金の捻出を急ぐが、本業で現金を稼ぐ力が低下しており、手元資金の流出に歯止めがかからない。

「仮にコロナが落ち着いたとしても、売上高が感染拡大前の19年3月期の水準に戻るとは考えにくい」。杉江俊彦社長は同日に開いた決算説明会で、百貨店の先行きの厳しさをこう語った。4~9月期に最終赤字になるのは08年の三越伊勢丹HD発足以来初めてとなる。

足元の業績も振るわない。10月の百貨店事業の売上高は前年同月比で2%減と落ち込み幅は小さくなったが、前年10月の消費増税の反動によるものだ。増税の影響がなかった18年10月と比較すると約2割減となり、コロナ禍で離れた来店客が戻っていない。

同日には不動産子会社、三越伊勢丹不動産(東京・新宿)の投資ファンドへの売却を発表した。21年3月期通期の最終損益は子会社売却による特別利益を入れても450億円の赤字となる見通しだ。

問題は現金を稼ぐ力が落ちたことだ。現金を稼ぐ力を示す営業キャッシュフロー(CF)は4~9月期に167億円のマイナスとなり、97億円プラスになった前の半期(19年10月~20年3月)から大きく落ち込んだ。仕入れなどに使ったお金が販売減で回収できていない一方、店舗などを維持する固定費などで資金の流出が続く。

現預金と短期有価証券を合わせた手元資金をみると、9月末で466億円と3月末(760億円)から4割弱減った。事業の切り売りで資金の確保を急ぐが限界がある。

百貨店はどのくらい売り上げが減ると赤字になるかを示す損益分岐点比率が店舗によって売上高の7~9割あるとされている。売上高が戻らない限り利益は出にくい収益構造だ。三越伊勢丹HDは高島屋J・フロントリテイリングなど競合と比べて有利子負債や自己資本比率など財務面での健全性は高いが、コロナ禍が長期化すれば、資金繰りにも影響が出かねない状況だ。

杉江社長は「今の水準の売り上げが続いたとしても赤字にならないような取り組みを進める」と語る。今期は従業員の冬の賞与を25%程度カットするほか、中期的には従業員を希望退職や自然減で減らし、高コスト体質からの脱却を目指す。コロナ禍で百貨店が収益モデルの抜本的な変革を迫られている。

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