秋を味わう栗の焼き菓子10選 お取り寄せで楽しむ

秋の味覚として親しまれている「栗」。上品な甘さとほくほくした食感を楽しめる。栗を使ったお取り寄せ可能な焼き菓子を、専門家が選んだ。
1位 ノアケトーキョー
滋味深い味わい

「和栗のテリーヌ」 フレンチ出身のパティシエが東京・表参道で屋台から始めた店で、今は浅草と銀座に店舗がある。和栗のペーストを練り込んだ生地の中に、イタリア北部ピエモンテ州特産のマローニと呼ばれる栗を入れた。実がしっとりと柔らかく、まろやかな口どけ。「自然な甘さの生地に、甘みの強い栗がごろっと入っていて、滋味深さを感じる」(下園昌江さん)
今年から表面の焦がしたキャラメル部分をより薄く、繊細な味わいになるように改良した。「キャラメルのほろ苦さが味わいのアクセントになっている」(下井美奈子さん)
(1)5400円(ハーフサイズ)(2)通年(3)https://noake.jp/?pid=63776242(4)冷凍
2位 フランス菓子16区
ぎっしり栗づくし

「栗のテリーヌ」 渋皮煮にした栗の渋皮部分を取り、洋酒に漬けて、生地に練り込んでいる。カットすると、切り口には生地が見えないほど栗がぎっしり詰まっており、目にもおいしい。「限界量まで栗が入っていて、香りが口いっぱいにあふれる。この価格でもコスパが良いと思わせてくれる」(chicoさん)
「しっとりした生地と栗の甘みの相性がすばらしい」(スイーツなかのさん)。店名は黄綬褒章を受章したオーナーシェフ三嶋隆夫さんが、パリ16区の洋菓子店で修業していたことから。
(1)5832円(2)今年度は2021年3月中旬まで(20年12月16日から21年1月15日は当商品は注文休止)(3)https://www.16ku.jp/(FAX注文書をダウンロード)(4)冷蔵
3位 ジャック
上品なラム酒の香り

「クグロフマロン」 クグロフはフランスのアルザス地方を代表する発酵菓子で、うねりのある王冠のような形のクグロフ型を使う。発酵バターとアーモンドのケーキ生地に熊本産の栗を入れ、ラム酒を加え、風味豊かに焼き上げた。「ラム酒が上品に香り、栗の渋皮煮とのバランスが最高」(下井さん)。しっとりとした食感で、優しい味わいに仕上がっている。
「クグロフ型のフォルムがかわいくて贈り物としても喜ばれそう」(猫井登さん)。冷蔵庫で冷やすとカットしやすく、その後10分ほど常温に戻して食べるのがおすすめ。
(1)3500円(2)通年(3)http://shop.jacques-fukuoka.jp/?pid=93654194(4)常温(夏季は冷蔵)
4位 ラトリエ ドゥ マッサ
アーモンド入りのクッキー生地

「ガトーバスク マロン」 ガトーバスクはフランスの伝統的なお菓子。アーモンド入りの厚めに伸ばしたクッキー生地の中に、カスタードクリームとアーモンドクリーム、栗の渋皮煮を入れ焼き上げた。「外はさくっと香ばしく、中はしっとりしていて、コクのあるガトーバスクと力強い味わいの栗がマッチしている」(瀬戸理恵子さん)
風味付けに香り高いネグリタラム酒を使用している。「ラム酒がふわっと香り上品な印象。ごろっとはいった栗の食感がアクセントに」(永井里果さん)
(1)1836円(2)通年(3)https://store.shopping.yahoo.co.jp/massa/011.html(4)冷蔵
5位 足立音衛門
食感異なる3種類の栗

「栗のテリーヌ」 京都府指定文化財にもなっている邸宅を店舗として利用している。国産、欧州産、チリ産と、それぞれ食感の異なる3種類の栗を使い、奥行きのある味わいに。栗の風味が生きるように、和三盆糖と発酵バターで甘さは控えめに仕上げている。
「栗の風味が強く感じられる。上質な紅茶やさわやかなシャンパンとも合いそう」(猫井さん)。しっとりした生地に、やわらかい栗の渋皮煮が入ることで「食感に統一感がある。洋酒がきいた大人の味」(永井さん)。
(1)4590円(2)通年(3)https://www.otoemon.com/shop/fytj-k0003/(4)冷蔵
6位 慶希処アマテラス
栗2種類とブルーベリー

「和栗の慶希」 東京大神宮参道に店を構え、白砂糖を使わずに商品を作っている。熊本県産の和栗を使用。メープルシロップに漬け込んだものと、和栗本来のうまみを味わえる渋皮付きのものという2種類の味の栗を使うことで「優しい甘さと少し渋みのあるコクのある甘さ、両方を楽しめる」(下園さん)。
生地に散らしてあるブルーベリーが味わいに変化を与えている。「酸味が栗の風味を妨げることなく、いいアクセントになっている」(平岩理緒さん)
(1)5400円(2)通年(3)https://www.cake-amaterrace.jp/shopdetail/000000000007/(4)冷蔵
7位 アトリエ アニバーサリー
渋皮煮を丸ごと1粒

「丸ごと栗のパウンド」 まろやかなマロンペーストを練り込んだ生地に、栗の渋皮煮を丸ごと1粒包んでいる。焼き上がりに吹きかけたラム酒がアクセントに。「生地からも栗の風味が広がり、渋皮煮と一緒にかみしめると滋味深い余韻が楽しめる」(瀬戸さん)
外見も栗の形をしており「お菓子全体が栗そのもの」(鈴木兼介さん)、「小ぶりだが、焼き菓子としてのリッチな味わいを楽しめる」(スイーツなかのさん)。改良を重ねた商品でリピーターも多いという。
(1)1404円(4個)(2)2021年1月中旬まで(3)https://www.atelier-anniversary.com/SHOP/on47.html(4)常温
8位 スイーツガーデンコパン
パイ生地で様々な食感

「プレミアムマロンパイ」 国産バターをたっぷり練り込んだパイ生地に、大粒の国産渋皮栗を丸々1個入れた。「サクッとしたパイ生地と栗のほっくり感の相性が抜群に良い。サクサク、しっとり、ほろほろ、ほくほくなど様々な食感が楽しめる」(とけいじ千絵さん)
天津甘栗をアーモンドクリームに混ぜたクリームを使っている。「生地やクリーム、栗の香ばしい風味の相性が良い」(鈴木さん)。「一つで大満足のボリュームでお買い得感がある」(猫井さん)
(1)2808円(6個)(2)通年(3)https://item.rakuten.co.jp/sweets-garden-kopin/d-cake-2/(4)常温(6~9月は冷蔵)
9位 ベルグの4月
国産使用、生地香ばしく

「国産渋皮栗のマロンパイ」 大粒の国産渋皮栗と裏ごしした栗を、発酵バターをふんだんに使用したパイ生地で包み、発送当日に焼き上げている。
「ぜいたくさをシンプルに感じられる逸品。栗の立派さ、サクッと仕上がったパイ生地がすばらしい」(とけいじさん)、「パイ生地が非常に香ばしく、クリームの栗感も濃厚。ほうじ茶やコーヒーと合いそう」(平岩さん)。賞味期限は発送日含め4日と、今回紹介する焼き菓子の中では短い。
(1)3466円(6個)(2)11月23日まで(3)https://shop.bergue.jp/shop/item_detail?category_id=0&item_id=2230464(4)常温
10位 信州里の菓工房
洋風の栗きんとんで包む

「焼きモンブラン」 地域の食材や加工にこだわる、信州伊那栗を使った栗菓子を扱うお店の商品。モンブランペーストを洋風の栗きんとんで包み、細かく砕いたクッキーをまぶして焼き上げた。表面はサクッと、中はしっとりした食感が楽しめる。
「見た目には栗を主張していないのに、すばらしい栗の味で個性がある」(古屋えり子さん)、「和菓子の栗きんとんのような濃い『栗感』ながら、洋菓子のバターの豊かさも」(chicoさん)
(1)680円(3個)(2)通年(3)https://shinsyusatonokakoubou.co.jp/c/yougashi/gd70(4)常温
和栗でも種類豊富、産地がブランド化
栗は初夏に花が咲き、9~10月が旬。収穫量は茨城県、熊本県、愛媛県の順に多い。名産地として茨城県笠間市や長野県小布施町、丹波地方などが知られる。「栗の産地がブランド化し、その産地の栗を使っていることをアピールしたスイーツが増えた」と平岩理緒さんは話す。和栗の中にも筑波、丹沢、銀寄など様々な品種がある。
和栗以外では「マロン」と呼ばれる西洋栗や、甘栗として知られる中国栗などが有名だ。「お菓子の材料に使われる栗の加工品は、日本でも欧州でも甘さを控えて栗の風味にこだわったものが増えている」(平岩さん)。「昔は洋栗を使ったお菓子が主流だったが、最近は和栗も多い」と下園昌江さん。繊細な風味を楽しむなら和栗、カシスやチョコレートなどと合わせるなら洋栗が向いているという。
渋皮煮は、渋皮がついたままの栗をあく抜きし、砂糖などを加えて煮たもの。一方、黄色い見た目の甘露煮は、渋皮をむいて同様に煮る。渋皮があるほうが栗の風味は強いが、甘露煮は見た目が美しく、なめらかな食感が楽しめる。
ランキングの見方
調査の方法
今週の専門家
(生活情報部 砂山絵理子)
[NIKKEIプラス1 2020年11月14日付]
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