中国「独身の日」セール アリババ、11日未明で5.8兆円
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【杭州=松田直樹】中国で年間最大のネット通販セール「独身の日」が11日に始まった。最大手のアリババ集団は例年よりセール期間を延ばしており、11日午前0時半(日本時間同日午前1時半)時点で取扱高が3723億元(約5兆8000億円)を超えたと発表した。2019年の2684億元を既に上回った。
独身の日は中国では「双11(ダブルイレブン)」と呼ばれる。今年が12回目となる。「11月11日」とシングルを意味する「1」が並ぶことから、もともとは独身者が「自分へのご褒美」で買い物をする日だった。近年はネット通販だけでなく小売りや飲食店などの実店舗も巻き込み、中国で最も消費が動く一大イベントに成長している。
アリババはこれまで「11月11日」の1日のみをセールの対象期間として取扱高を公表してきた。今年は11月1日から11日までを対象とした。販売期間を延ばしたことが、昨年の取扱高を大きく上回った1つの原因とみられる。独身の日は12日午前0時(日本時間同日午前1時)に終了する。
ネット通販2位の京東集団(JDドットコム)も11日午前0時すぎ、期間中の取扱高が2000億元を突破したと発表した。京東の19年の取扱高は2044億元だった。
中国では新型コロナウイルスの影響で外出を控える人が増えており、ネット通販が好調だ。海外旅行ができない消費者がネット通販で輸入品をまとめ買いする動きも広がっている。中国経済が世界でいち早く新型コロナから回復するなか、巨大市場の需要を取り込もうと日本や欧米など多くの外国企業が独身の日セールに参加している。