タイ石油公社、7~9月期純利益3割減 燃料需要が低迷
【バンコク=村松洋兵】タイ国営のエネルギー大手、タイ石油公社(PTT)が10日に発表した2020年7~9月期の連結決算は、純利益が前年同期比30%減の141億バーツ(約490億円)だった。新型コロナウイルスの感染拡大による燃料需要の低迷が響いた。

売上高は同29%減の3835億バーツだった。国内で独占するガス販売が、産業用の需要低迷で落ち込んだ。天然ガスなどを生産する探鉱・開発事業も、原油価格の下落により振るわなかった。ベンゼンなどを製造する石油化学事業は需要減に加え、割安な中国製品の流入が増えて販売価格が下がった。
給油所を運営する石油・小売事業もガソリン価格が下落して減収となったが、部門利益は43%増の45億バーツとなった。給油所内や商業施設に出店を増やしたカフェが業績に寄与した。PTTは給油所やカフェを展開する子会社の上場を計画している。
タイ財務省が51%を出資するPTTは、同国最大の国営企業だ。PTT本体は主にガス事業を手掛け、傘下に探鉱・開発や石油化学などの事業を手掛ける複数の上場企業を持つ。グループ企業の合計時価総額は、タイ証券取引所全体の1割強を占める。
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