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欧州委がAmazonに警告 出店業者の情報、不正利用疑い

(更新)
記者会見する欧州委のベステアー上級副委員長(10日、ブリュッセル)=AP

【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)の欧州委員会は10日、EU競争法(独占禁止法)違反の疑いがあると警告する「異議告知書」を、米アマゾン・ドット・コムに送付したと発表した。アマゾンが提供するオンライン市場で、出店する小売業者のデータをアマゾンが不正に利用したという。

異議告知書は欧州委の見解を示した文書で、アマゾンにはこれに反論する機会が与えられる。欧州委はその上で最終的な判断を決め、違反が認定されれば制裁金の支払いなどが命じられる。欧州委は2019年から正式な調査を続けてきた。

アマゾンは自らが小売業者としてオンラインで商品の販売をする一方、一般の小売業者がアマゾンのサイトを通じて販売できる「マーケットプレイス」を提供する。欧州委によると、アマゾンはマーケットプレイス提供者としての立場を利用し、そこに参加する業者の注文数や売り上げなどのデータにアクセスしていたという。

アマゾンはこのデータを使い、小売業者として自社が販売する製品を目立たせたり、価格を変えたりするなどして、多く売れるように販売戦略を調整していた。欧州委は、EUで最も大きい市場であるドイツとフランスで「競争のリスクを回避し、市場の優位性を利用した」と批判した。

欧州委には、出店業者から自社製品を模倣した製品がアマゾンから発売されたといった不満が出ており、アマゾンがプラットフォームの提供者としての立場を利用して、自社製品の開発につなげた可能性もある。

記者会見した欧州委のベステアー上級副委員長(競争政策担当)は「アマゾンは電子商取引の主要なプラットフォームであり、消費者への公正なアクセスはすべての小売業者にとって重要だ」と述べた。

アマゾンのデータ利用を巡る問題は米国でも問題にされている。7月下旬に米下院が開いた公聴会でも、アマゾンが出店業者の購買情報を使って、自社ブランド製品に有利な販売戦略をとっているのではないかとの批判が出た。ベゾス最高経営責任者(CEO)は「出店業者の販売データ利用は社内で禁止されている」と否定したものの、調査していると明らかにした。

米欧を中心にアマゾンなど巨大IT(情報技術)企業への風当たりは強まっている。とりわけEUは米企業への対決姿勢を強めてきた。EUは4億5千万人を抱える大市場。消費だけでなく、「21世紀の石油」といわれるデータまでもがGAFAに席巻されている状況を打開したいとの思いは強い。

競争法に加え、GAFAに課税するデジタル税も視野に米巨大IT企業への締め付けを強める一方、「データ主権を取り戻す」として、欧州発のIT企業の育成を後押しする構えだ。

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