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共生・反差別のユースフェス オンラインで競技

マセソン美季

知的障害を持つ若者がどう体力を向上させたかも競う(2019年、UAEで開かれたスペシャルオリンピックス)=AP

11月20日は国連が定めた「世界子どもの日」。子どもたちの相互理解や福祉の向上を目的として、1954年に制定された。

この日にあわせ、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)、国際スペシャルオリンピックスなどが後援する「UTSバーチャル・ユースフェスティバル2020」が開催される。スポーツを媒介に世界中の若者たちをオンラインで結び、多様性を示した団結でパンデミックを乗り越えようというものだ。

新型コロナウイルスの大流行は不平等を増幅、人々の分断を顕在化させ、社会に不安や不満が渦巻いている。その中でスポーツは、国境を超えて使える共通言語であり、垣根なく人々を結びつける大切な要素だ。そうした認識のもと、世界のスポーツ界が連帯する今回のイベントは素晴らしいものになると思う。

パスポートもビザもいらないバーチャル空間で行われるフェスに、140以上の国と地域の若者が集う予定。テーマはインクルージョンと反差別だ。マスコットにはウーパールーパーが選ばれた。幼い頃の特徴を残したまま成熟する珍しい生態や、手足だけでなく脳が傷ついても修復する強い回復力があるこの生物が起用されたのは、世界がよりインクルーシブで多様性に満ちたものになってほしいという願いが込められている。

競技には5つのカテゴリーがある。「マックスフィット」は筋力や持久力を、「エアロフィット」は音楽に合わせたリズミカルな動きを競う。「オールアビリティー」は、身体障害も含め体の特性を生かした独自のトレーニング方法、「タレントショー」では歌唱力や楽器演奏などの才能、「スペシャルオリンピックス・フィットネス」では、知的障害者が7週間でどう体力を向上させたか、をそれぞれ評価する。

いずれも投稿された動画やオンラインのライブ映像を審査員が見て点数をつける。普通の競技会とは違うこのイベントで活躍するのは、どんなアスリートなのだろう。これまでにはない価値観や評価軸が生まれてくるのが楽しみだ。

マセソン美季
 1973年生まれ。大学1年時に交通事故で車いす生活に。98年長野パラリンピックのアイススレッジ・スピードレースで金メダル3個、銀メダル1個を獲得。カナダのアイススレッジホッケー選手と結婚し、カナダ在住。2016年から日本財団パラリンピックサポートセンター勤務。国際パラリンピック委員会(IPC)教育委員も務める。

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