ユーザベース、米メディア子会社売却、梅田CEO辞任
ニュースアプリ「ニューズピックス」を運営するユーザベースは9日、米子会社クオーツメディアを売却したと発表した。2018年に7500万ドル(当時の為替レートで82億円)で買収したが、広告面で苦戦し収益を改善できなかった。責任を取って、創業者の梅田優祐最高経営責任者(CEO)が辞任する。
クオーツは経済、金融ジャンルのニュースメディア。同社の現CEOが設立した会社に、ユーザベースが全株式を譲渡した。売却額は非開示。事業撤退に伴い、20年12月期決算で88億円の特別損失を計上する。クオーツ買収を主導した梅田氏はCEOを辞任し、稲垣裕介最高執行責任者(COO)が21年1月1日付でCEOに就任する。
クオーツは赤字が常態化していた上、新型コロナウイルスの影響で広告収入が激減した。20年1~6月期の同事業の売上高は5億4千万円と前年同期比で57%減、EBITA(利払い前・税引き前・償却前利益)は12億円の赤字だった。
ユーザベースは「有料会員は増えているが、『3年で黒字化』という買収時の目標を達成できない見込みが高まった」と撤退の理由を説明。ニューズピックスや企業向けデータサービスなどの既存事業に経営資源を集中する。