5万円給付の採決見送り 愛知・岡崎、可決は困難
愛知県岡崎市議会は9日、中根康浩市長が公約に掲げた新型コロナウイルス対策として全市民へ一律5万円を給付する補正予算案を巡り、市議会の主要会派が財源を問題視し、予定していた9日中の採決を見送った。将来の市財政の見通しに関する中根市長の説明が不十分として、9日までの会期を18日まで延長して審議を続けるが、可決は困難な見通し。

補正予算案は市の貯金に当たる財政調整基金の約81億円全額を取り崩し、5つの特定目的基金を廃止して一律給付事業に約196億円を計上する内容。9日の本会議で審議し採決する予定だったが、最大会派の自民系市議から「市財政について抽象的な答弁ばかりだ」などの声が上がり、審議の継続を決めた。
中根市長は補正予算案可決の見通しが立たないため、一律給付を断念し、給付対象を絞る方向で事業見直しを調整している。9日の採決前に予算案を撤回することも検討したが、議会での採決を経て方針転換する方が、市民の理解を得やすいと判断したとみられる。
〔共同〕