神戸市、コロナ重症患者専用の病棟 全国初

神戸市は9日、新型コロナウイルスの重症患者専用の臨時病棟の運用を始めた。市立医療センター中央市民病院の駐車場に約11億円かけて36床を整備。重症呼吸不全の患者などに使う体外式膜型人工肺(ECMO、エクモ)などを完備した。同市によると、全病床でコロナ重症患者の対応ができる病棟を設けるのは全国で初めて。
全病床に人工呼吸器を配備し、ウイルスが外に出ないようにする陰圧対応も実施。血液浄化装置は2台用意し、遠隔モニタリングシステムも導入した。今冬のインフルエンザとの同時流行にも備える。
中央市民病院では4~5月に新型コロナの院内感染が発生。救急外来や手術などを原則停止し、医療従事者の自宅待機数は累計300人以上に上った。久元喜造市長は説明会で「コロナ患者への治療と地域医療の両立ができる。職員の感染リスクも下げられる」と話した。兵庫県の包括支援事業に選定され、事業費は国の交付金を充てる予定だ。