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中部企業、EVシフトに期待と警戒 バイデン氏当確で

米大統領選で民主党候補のジョー・バイデン前副大統領の当選が確実になったことを受け、中部企業は9日、自社への影響や取引先の動きなど情報収集に追われた。注目されたのが、バイデン氏の掲げる環境重視の政策だ。中部に集積する自動車関連企業への影響は大きく、電気自動車(EV)シフトへの期待や需要変化への警戒が広がった。

 トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」の電気自動車「UX300e」

中部の自動車部品メーカー首脳は「EVシフト加速を念頭に電池周辺部品の研究開発を進めたい」と述べた。トヨタ自動車系の部品メーカーは「米国の主力車種でありながらあまり電動化が進まなかった『ピックアップトラック』など大型車のEV化が後押しされれば、新たな関連部品の開発機運が高まるだろう」と話す。

別のトヨタ系サプライヤーは9日、バイデン氏の当確報道を受けて米国の環境規制や自動車業界の動向について改めて議論した。関係者は「新政権下で米国の環境政策は一変する。特に排ガス規制はトランプ政権よりも厳しくなり、部品会社も対応を迫られる」と危機感を隠さない。

日本ガイシの大島卓社長は「再生可能エネルギーの拡大に欠かせない大容量蓄電池『NAS電池』や、開発中の二酸化炭素(CO2)分離膜は脱炭素化に貢献する製品として期待する」とコメントした。日本特殊陶業の松井徹副社長は「環境規制の強化で性能のよい(自動車用)センサーや点火プラグが要求されれば商機になる」と前向きにとらえた。

バイデン氏は環境保護の観点から、シェール開発に必要なフラッキング(水圧破砕法)について一部で否定的な考えを示している。中部電力東京電力ホールディングスが共同出資するJERAは、米国のシェールガスのLNGプロジェクトに出資する。シェールガスを原料として調達する東邦ガスは「影響を注視したい」と述べた。

米大統領選で当選確実となったバイデン前副大統領(AP=共同)

トランプ政権は自国第一主義を掲げ、制裁関税などで米中関係は悪化した。ジャパンマテリアルの田中久男社長は「バイデン氏が大統領に就任しても自国優先の動きはすぐに変わらない」とみる。中堅ばね製造の東郷製作所(愛知県東郷町)は、メキシコなどに進出する取引先との「商流に影響する」として、北米の自由貿易協定の行方に注目する。

バイデン氏はコロナ禍からの経済再生を重点項目に掲げた。米国の大規模な金融緩和と低金利は当面、続く可能性がある。十六銀行は大統領選の波乱などに備えて、自行の運用ポートフォリオ(資産配分)を低リスク型にしてきた。新政権の下で「しっかりとした経済対策が打たれるだろう」(村瀬幸雄頭取)と期待を寄せる。

百五銀行の伊藤歳恭頭取は、9日の日経平均株価が大幅続伸したことを例に取って「国際金融市場は安定している」と話した。円相場は「1ドル=100円の円高・ドル安に迫るかもしれない」としつつ、「巡航速度の範囲内で大きくぶれることはない」との見方を示した。

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