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高炉3社、今期上方修正も株価は低迷

高炉大手の決算が9日出そろい、3社とも2021年3月期の業績予想を上方修正した。新型コロナウイルスの感染拡大で春先に落ち込んだ鋼材需要が夏場以降の自動車メーカーの生産回復で持ち上がっているためだ。ただ、株価は2019年末の水準には戻っていない。自動車向け以外の需要回復が鈍いうえ、中国や韓国勢との競争が一段と激化しているためだ。

「自動車は生産持ち直しの動きが鮮明だ。10~12月期は前年同期並みだろう」。JFEホールディングスの寺畑雅史副社長は9日の決算会見でこう語った。同日、21年3月期の連結事業損益(国際会計基準)が900億円の赤字(前期は378億円の黒字)と、従来予想より100億円改善しそうだと発表した。

前週までに決算発表した神戸製鋼所日本製鉄も同じく今期見通しを上方修正した。最終損益の前期との比較でも、製鉄所設備など固定資産の減損損失がなくなり、最終赤字額は縮む見通しだ。

一方で株価はさえない。日経平均は19年末水準を回復したが、高炉各社は2~4割安にとどまる。急回復する自動車向けと対照的に、他の需要分野は戻りが鈍い。

日本製鉄は普通鋼鋼材消費量について、自動車を中心とする製造業向けは21年3月期下半期が1210万トン程度と上半期から14%増えるとみている。一方、建設業は7%減の890万トン程度と予想する。コロナ禍で国内ホテルなどの投資意欲は急速にしぼみ、建設分野は不振だ。日本製鉄の宮本勝弘副社長は「おそらく自動車以外は元に戻らない」との見方を示す。

一方、中国メーカーは同国沿岸部に最新鋭設備を増強。韓国勢なども技術力を底上げし、日本勢は汎用品で太刀打ちしづらくなっている。韓国ポスコは20年7~9月期に営業黒字を確保しており、日本勢の不振が際立つ。

日本勢は設備の合理化で修繕費などコストの圧縮を進めると同時に、電気自動車のモーターに使う電磁鋼板など高付加価値品に活路を見いだす構えだが、市場の評価につながるかは不透明だ。(森国司)

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