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外貨建てMMF、繰り上げ償還が相次ぐ 金利低下で

2020年は外貨建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)の繰り上げ償還が相次いだ。新型コロナウイルス禍で世界的な金利低下に拍車がかかり、運用が難しくなっていることが背景にある。

NZ・豪・加ドル建てが繰り上げ償還

直近では10月22日にニュージーランド(NZ)ドル建ての「ノムラ・グローバル・セレクト・トラスト NZドル・マネー・マーケット・ファンド」が繰り上げ償還された。管理会社であるグローバル・ファンズ・マネジメントが理由に挙げたのは、NZ準備銀行(中央銀行)による利下げ。MMFは公社債やコマーシャルペーパー(CP)などの短期証券に投資するため、政策金利が下がると安定した運用を続けにくくなる。

このほかにも、5月と6月にカナダ(加)ドル建て、9月にオーストラリア(豪)ドルとNZドル建てのMMFが繰り上げ償還された。これら3通貨の国は19年から政策金利が低下傾向にある。今年3月には新型コロナの感染拡大を受けて緊急利下げに踏み切り、足もとの政策金利はそれぞれ過去最低水準となっている(図A)。

円建ては消滅、米ドル建ては残高増

外貨建てMMFの繰り上げ償還で記憶に新しいのは、欧州債務危機によって不安が高まった12年。金利がマイナス圏まで下がり、ユーロ建てMMFが運用を続けられなくなった。国内でも16年に日銀がマイナス金利を導入した際に円建てMMF(マネー・マネジメント・ファンド)が全て繰り上げ償還され、消滅した(図B)。

持ちこたえているのは、相対的に規模が大きい米ドル建てのMMFのみ。米大統領選挙前に米国株で得た利益をいったん確定した資金などが滞留し、足元ではむしろ残高がやや増えている。ただ、米国も低金利の傾向が長引き、金利面での投資妙味は乏しい。低リスクで運用したい個人投資家のニーズに応えるような外貨建て金融商品の選択肢が減りつつある。

(QUICK資産運用研究所 石井輝尚)

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