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トランプ氏、狭まる選択肢 訴訟資金60億円の確保急ぐ

(更新)
トランプ米大統領は8日、バージニア州でゴルフを楽しんだ後、支持者に向けポーズをとった=AP

【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は3日の大統領選の敗北を認めていないが、再選へ残された選択肢は狭まっている。激戦州での得票差が開き、支持者から巨額の資金を募って法廷闘争を続けても結果を覆すのは難しいとの見方が多い。与党・共和党からも選挙結果は変わらないとの見方が出ている。

「これは盗まれた選挙だ」。トランプ氏は8日、大統領選での不正を訴える共和党のギングリッチ元下院議長の発言をツイッターで引用した。民主党のバイデン前副大統領は勝利宣言を行ったが、トランプ氏は選挙不正を理由に慣例の敗北宣言を拒んでいる。

再選へ残された数少ない手段が法廷闘争だ。トランプ氏の顧問弁護士、ジュリアーニ元ニューヨーク市長は8日のFOXニュースのインタビューで、最大10州で不正の疑いがあると指摘。バイデン氏が勝利を確実にした東部ペンシルベニア州での訴訟を通じて最大90万票が無効になると主張し、トランプ氏が同州で勝利するとの見通しを示した。選挙不正を監視する共和党所属の立会人が開票所で適切な監視を拒否されたなどと訴えた。

もう一つの手段は得票の再集計だ。トランプ陣営は中西部ウィスコンシン州で再集計を申し立て、僅差の南部ジョージア州でも再集計を行う公算が大きい。最初の集計に誤りがあればトランプ氏が票を伸ばす可能性はある。ペンシルベニア州でも有権者が再集計を求めることができる。不正疑惑の証拠を示す義務はなく、トランプ氏の支持者が再集計を要求しそうだ。

ロイター通信によると資金不足に直面するトランプ氏の選挙陣営は訴訟や再集計に充てる資金として6000万ドル(約62億円)を集める考えだ。

共和党内では不正行為を暴く法廷闘争や再集計を容認しつつも、バイデン氏の当確は揺るがないとの見方が多い。共和党指導部のロイ・ブラント上院議員は8日のABCテレビのインタビューで「(票をめぐる)どんな変化も結果に影響を及ぼすほど大きなものではないようだ」と語った。

再集計の可能性が高まる南部ジョージア州ではバイデン氏が1万票差でリードする。ハーバード大のスティーブン・アンソラベヘール教授は「(再集計で)多くても500票ほどしか変わらない」と指摘。トランプ氏が巻き返すのは難しいとみる。

共和党は上院の過半数の行方がかかったジョージア州の連邦上院選の決選投票を2021年1月に控える。共和党支持者に高い人気を誇るトランプ氏と対立すれば決選投票に悪影響が及ぶリスクがあり、再選に固執するトランプ氏に真っ向から反対しにくい雰囲気がある。

今後はトランプ氏の家族の動向にも注目が集まる。CNNテレビによると、メラニア大統領夫人や娘婿のクシュナー大統領上級顧問がトランプ氏に敗北を認めるべきだと主張しているという。

ただメラニア氏は8日、ツイッターで「違法ではない全ての合法的な票を集計すべきだ」と投稿し、トランプ氏に同調。トランプ陣営幹部もクシュナー氏が敗北宣言を促したとの報道を否定し、情報が入り乱れている。米メディアによると、トランプ氏の長男ジュニア氏や次男エリック氏は法廷闘争を続けるべきだと訴えているという。

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