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バイデン氏、政権移行準備に着手 閣僚人事など取り沙汰

(更新)
スーザン・ライス元国連大使(19年4月、ニューヨーク市内)=ロイター

【ニューヨーク=宮本岳則】米大統領選で当選確実となった民主党候補のバイデン前副大統領は、閣僚人事を含めた新政権構想に着手する。全米で新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、景気下支えが優先課題の一つとなる。経済政策チームの顔ぶれが焦点だ。対中国政策の要となる外交・安全保障担当閣僚も早急に固めるとみられる。

バイデン氏はすでに政権移行チームのウェブサイトを立ち上げた。トランプ大統領が敗北を認めなくても、国務や国防、財務、司法といった重要閣僚の人事を中心に選定を進めるとみられる。

「感謝祭の祝日(11月26日)のあたりから顔ぶれが公表されていくだろう」。外交や安保を専門とする米調査会社PTBグローバル・アドバイザーズのポール・ゴールドスタイン氏は予想する。

バイデン陣営は多様性に富む政権を目指すと公言している。クリントン、オバマといった歴代の民主党政権を要職で支えた人材に加え、党内の左派や、共和党からも登用する可能性がささやかれる。団結や融和を演出するためだ。重要閣僚には女性候補者の名前が多数あがっている。

FRBのブレイナード理事(左)とパウエル議長(19年1月、米シカゴ)=ロイター

新型コロナ対策が次期政権の喫緊の課題だ。経済政策の司令塔である財務長官候補には、米連邦準備理事会(FRB)のラエル・ブレイナード理事の名前が広く取り沙汰される。オバマ前政権時代の2009年にティモシー・ガイトナー財務長官の顧問として金融危機に対応し、その後財務次官についた。コロナ危機ではFRB側の担当者として、企業の資金繰りを支える融資プログラム策定に関与した。

対中関係や同盟関係の立て直しなど外交でも難題が山積みだ。外交責任者の国務長官には、オバマ前大統領の腹心だったスーザン・ライス元国連大使や、長年バイデン氏の外交顧問を務めるトニー・ブリンケン元米国務副長官らの名前があがる。オバマ政権で大統領補佐官を務めていたライス氏は、米中で世界を仕切る「新しい大国間関係」という中国の主張に理解を示し、日本国内で波紋を呼んだ。ブリンケン氏は北朝鮮に厳しい姿勢で知られる。

日本にとっては外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で相手方の一人となる国防長官人事も重要だ。筆頭候補はミシェル・フロノイ元国防次官だ。同氏は6月、外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」(電子版)に「アジアでの戦争を防ぐ方法」と題した論文を発表した。中国・人民解放軍の能力向上に危機感を示し、米軍に新技術への投資を提言した。タイ系米国人でイラク戦争に従軍経験もあるタミー・ダックワース上院議員も候補の一人とされる。

バイデン氏の選挙集会に駆けつけたブティジェッジ氏(右)(20年3月、テキサス州)=ロイター

バイデン氏は国際協調路線への回帰を志向しており、国連大使人事にも注目が集まる。同性愛者だと公表したピート・ブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長は有力候補の一人だ。バイデン氏を選んだ民主党の大統領候補指名レースで善戦し、注目された。

民主党で中道派のバイデン氏にとって左派の処遇も課題だ。左派の重鎮、バーニー・サンダース上院議員は政権入りに関心があると報じられ、労働長官候補の一人とされる。左派にはエリザベス・ウォーレン上院議員を司法長官、財務長官といった重要閣僚で起用するよう求める声がある。承認権限は米上院が持つ。上院で共和党が過半数を維持すれば、任命を巡り紛糾する可能性がある。

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