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英、対米FTA早期合意に不安も バイデン氏当選確実で

【ロンドン=中島裕介】英国のジョンソン首相は7日、複数の米メディアがバイデン前米副大統領の当選確実を報じると、ツイッターで「米国は最も重要な同盟国だ」というコメントとともに祝意を送った。「特別な関係」と呼ばれる強固な米英関係の維持をアピールしたが、バイデン政権下では当面の最大の課題である対米自由貿易協定(FTA)の合意が遅れるとの不安がある。

ジョンソン英首相は、次期大統領に当選確実となったバイデン氏との関係強化を模索する(写真は3月、ロンドンにて)=ロイター

英国にとってはもともとトランプ現政権との関係も順風満帆ではない。トランプ米大統領の人種差別的発言や気候変動問題軽視の姿勢は英政権の方向性とは逆。しかも次世代通信規格「5G」分野から、それまで依存していた中国の華為技術(ファーウェイ)を追い出すよう米国から執拗に要求を受けるなど政策上の摩擦は小さくなかった。

それでもトランプ氏が「非常に有能だ」とたたえるジョンソン氏との個人的な親交の深さで、欧州連合(EU)のように対米関係が悪化することは回避してきた。

一方、バイデン氏はもともとジョンソン氏が推し進めたEU離脱に賛成していない。英BBCは、バイデン政権になれば国際協調の観点から「EUとの関係修復が優先される」と予測する。

しかもジョンソン政権は難航中のEUとの将来関係交渉の過程で、EUと約束した北アイルランド和平を維持するための条項を修正する可能性を示唆した。

これにアイルランド系移民の子孫であるバイデン氏がツイッターで「和平がブレグジット(英のEU離脱)の犠牲者になることは許さない」と批判する一幕もあった。「米国は対英FTA協議を後回しにするかもしれない」というのが複数の英政府関係者の不安だ。

バイデン氏が政権交代により国際協調路線に転じれば、気候変動やコロナ対策などで米英連携の余地は今よりは増える。政策面での共通点を追い風にできるかどうかが、バイデン氏が大統領になった場合の米英関係の深さを左右しそうだ。

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