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バフェット氏投資会社、自社株買い最高 Apple依存も

(更新)
バークシャー・ハザウェイのウォーレン・バフェット氏(2017年9月、ニューヨーク)=AP

【ニューヨーク=宮本岳則】著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米バークシャー・ハザウェイが株主還元を強化している。7日発表した2020年7~9月期決算によると、自社株買い総額が90億ドル(約9300億円)に達し、四半期として過去最高になった。手元資金が積み上がる一方、有望な投資先が見つからず、株式運用ではアップル株への依存が一段と強まった。

バークシャーの20年7~9月期の純利益は301億ドルとなり、前年同期に比べて82%増えた。利益を押し上げたのは、投資運用資産の評価益だ。20年9月末の株式運用総額は2453億ドルで、同6月末に比べて378億ドル増えた。上場株保有銘柄の内訳をみると、8月に上場来高値を更新したアップル株への依存度が高まっており、運用総額に占める割合は45%を超えた。19年末時点では3割弱だった。

一方、バフェット氏がM&A(合併・買収)で傘下に収めてきた事業会社群は低調だった。事業部門の業績を映す20年7~9月期の営業利益は前年同期比32%減の54億ドルとなった。航空機向け部品の米プレシジョン・キャストパーツなど新型コロナウイルスの影響を受けやすい子会社が不振に陥った。

バークシャーの株価も低迷している。年初来の騰落率をみると、バークシャー株は8%安となり、ダウ工業株30種平均(1%安)、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数(33%高)を下回る。市場はバークシャーが手元資金を有効に活用できていないとみる。9月末時点の現金・同等物は1457億ドルで、過去最高水準まで積み上がっている。バフェット氏は大型買収に引き続き意欲をみせるが、割高な価格を理由に見送ってきた経緯がある。

バフェット氏も手をこまねいているわけではない。自社株買い額は年初来で160億ドルとなり、四半期のみならず、年間ベースでも過去最高を更新する見通しだ。バフェット氏は長年、「株主還元よりも投資に使いたい」と主張してきたが、18年以降は方針を転換し、徐々に自社株買いを増やしてきた。有望な大型M&A案件がないことの裏返しであり、苦肉の策とも言える。今後は初の配当に踏み切るかが焦点となる。

投資戦略にも変化が見られる。バークシャーは8月末、伊藤忠商事など日本の5大商社株への投資を発表した。現在の上場株運用は米国株に偏っており、地域分散を図ったとみられている。9月にはビッグデータの保管・分析を手掛ける米スノーフレイクの新規株式公開(IPO)に参加した。90歳のバフェット氏は後継者候補に運用の一部を任せており、新しい動きにつながっている可能性がある。

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