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ソフトバンクG純利益1.8兆円 4~9月、資産売却で

孫社長「資産構成アリババに偏り、バランス適正に」

(更新)

ソフトバンクグループ(SBG)が9日発表した2020年4~9月期の連結決算(国際会計基準)は純利益が前年同期の約4.5倍の1兆8832億円となった。同期間として過去最高。4~6月期に資産売却益の計上などで1兆2557億円の最終黒字(1~3月期は1兆4381億円の赤字)を確保し、7~9月期は投資ファンド「ビジョン・ファンド」の損益が前年に比べ改善したほか、通信子会社ソフトバンクの高水準の利益なども寄与した。

午後4時30分から20年4~9月期決算の記者会見をオンライン形式で開いた。孫正義会長兼社長が業績や投資先の動向などを説明した。日経電子版では孫社長の発言をタイムラインで取りまとめた。

【午後6時17分】オンライン記者会見が終了した。

【午後6時15分】「Zoom会議で相当生産性上がっている」

孫社長は仕事の多くをビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」でこなしていると説明した。孫社長は「いつまでコロナの影響でズーム活用が続くと思うか」との質問を受け、「来年の秋まではコロナの影響がくすぶると思う。来年のその頃まではワクチンができたとしても、それを十分に広めても効果が出るのがそのぐらいになるのではないかと。すぐに晴れやかではなく徐々にだと思う」と答えた。

「ズームでも大事にしている投資の直感力は働くのか」との質問もあった。孫社長は「ズームを朝から晩まで使って、これも悪くないなと。海外出張に月に1~2回行っても時差ぼけが常時あった。それがなくなって、かなりいいと。気管支喘息もなくなって健康になった。ズームは顔アップでしゃべる人もいるし、資料も共有できるので、夜食事するときもワインを飲みながらズームで会議している。ズーム飲み会状態で海外との会議をしている。相当生産性が上がっている。新しいライフスタイルとして世の中にどんどん広がっていくと実感している」と述べた。

【午後6時11分】「株上場のメリットもデメリットも。いろいろ噂あるが日々悩んでる」

「ソフトバンクGとして株式市場に上場しているメリットとデメリットは何か」。このような質問を受けた孫社長は「メリットはたくさんある。デメリットもある。いろいろな噂があるが、日々悩んでいるということだ」と応じた。MBO(経営陣が参加する買収)を検討しているとの観測が浮上している。

【午後6時1分】「資産構成、アリババに偏り。バランス適正にしていく」

ソフトバンクGは資産売却を進めた結果、保有株式のうちアリババ株の比率が大きくなっている。投資会社としてポートフォリオ(資産構成)上の米中のバランスや中国の政治リスクについて問われた孫社長は、「(結果的に)アリババ一辺倒に偏っているという指摘はまさにその通り」と答えた。そのうえで、「だからビジョン・ファンドで続々と(アリババ以外への投資を)増やすし、(投資先が)非上場株だけではアリババの成長が大きくなって比率が一向に改善しないので、上場株も含めて全体のバランスをより適正にしていく。ただアリババ株を売って多様化するのではなく、アリババ株はアセット・ファイナンスの担保として適切に扱っていく」と述べた。

【午後5時50分】「ビジョン・ファンド2号好調、手がねで十分まかなえる状況」

孫社長は自前の資金で運営するビジョン・ファンド2号が好調だと説明した。これに対する外部投資家からの資金受け入れについて問われ「2号、3号と投資家のみなさんにドアをいつも開けているが、人気がないから来てない。我々は10兆円の資金も手元に入ったので、手がねで十分まかなえているという状況だ。でもお世話になっている投資家もいるし、礼を尽くしていく」と説明した。

【午後5時47分】「米バイデン政権」になっても「米AI会社に投資したい」

孫社長は「米大統領選の開票動向からバイデン政権になろうとしているが、米国の投資先についてどう考えているか」との質問を受けた。「(投資対象を)AI革命に絞ると言った。シリコンバレーみたいなところが米国にはある。どんな状況であれ、どんな金利であれ、米国のAIカンパニーに投資していきたい。中国からも続々AIカンパニーが生まれている。米国、中国、東南アジアやインドなどからも出てきている。国にこだわらず投資する。中心は米国と中国だ」と答えた。

【午後5時44分】MBO観測に「ノーコメント」

MBO(経営陣が参加する買収)を検討しているとの観測について問われ、孫社長は「ノーコメント」と答えた。

【午後5時43分】質疑応答が始まった。

【午後5時35分】ビッグ・テックなど「上場株に投資開始」

孫社長は米アマゾン・ドット・コムや米フェイスブックといった「ビッグ・テック」などの上場企業投資を開始したと明らかにした。「一体いくら投資したか、米国の開示ルールに従ってあと1週間くらいで明らかになるだろう」と話した。投資の仕方は現物株とデリバティブで、現物株は1.8兆円を既に投資。「コールオプションの権利も4000億円くらい買った。ゼロになる可能性も倍になる可能性もある」という。

【午後5時25分】「モビリティーは世界GDPの11%。根底から変わる」

孫社長はビジョン・ファンドの投資先のひとつであるNuro(ニューロ)について期待を示した。「配送はNuroに任そうとして実験している。世界的な配送の会社も続々と加わっている。(ビデオを流して)運転手は乗っていない。頭脳をつけてストップサインで止まる。いろいろな交差点も渡っていく。道路を快適に走っている。トラックの物陰や人が渡る(場所)など、工事の現場に人がでてくる(場所)など(にも対応し)、霧のサンフランシスコも運転できる。運転席のない車もあと数年で量産される。すでに設計も終わって今後大量生産される。一般の道路を走るようになる」と述べた。この技術が活用できる「モビリティーの世界は世界のGDPの11%ある。これが根底から変わる」と語った。

「日本は規制ばかりでまだ走れない。日本の自動車産業は裾野が広いのに実験できない。一日も早く運転できるようになって欲しい」とも話した。

【午後5時15分】「エヌビディアの時代がくる」

孫社長は「人間の脳は2進法で考え、記憶している。コンピューターもトランジスタが離れたかくっついたか(を判定するが)、このトランジスタの数が少なかった。ハードウェアのトランジスタの数が少なかった。これが二次曲線で増えた。さらにCPUだけでなくてAIに特化したGPUやDPUもでてきた。これを包含して(これらの分野が得意でソフトバンクGが大株主となる米半導体メーカーの)エヌビディアの時代がくる」と話した。

【午後5時7分】「アント上場巡りアリババ株価変動でも3カ月では誤差のうち」

孫社長はソフトバンクGの株主価値が27兆円あることを踏まえ、「我々は20兆円近くアリババ株を持っているが、(アリババが主要株主の中国金融)アントが上場するのかしないのかということで1日で(アリババ株価が)10%近く動いた。1日で2兆円くらい減ったりするわけだ。でも、これから3カ月ごとに2兆~3兆円が動いても誤差のうち。これがソフトバンク(G)のニューノーマルだ」とした。

【午後5時5分】「インターネットとAIの境目なくなる」

孫社長は「株主の皆さんは、今が頂点でテックバブルなのか、ここから先(株価が)上がるのか下がるのかが気になっているだろう。皆さんは分からないかもしれないが、私は分からないとは思っていない」と話した。そのうえでNAVの右肩上がりのグラフを示し、「私は(右上がりだと)信じている。インターネットとAIの境目がなくなり、(投資先の中国の)アリババ集団もお勧め機能などで急速な勢いでAI企業に進化している。(グループの)通信会社(のソフトバンク)もヤフーなどを傘下にしてもっと伸びる」との見解を示した。

【午後4時47分】「株主価値、この半年で6兆円弱増えた」

孫社長は「今までソフトバンク(G)は株主価値が大事だといってきた。保有株式から純負債を引いたもの。この株主価値がNAVだ。ネットアセットバリューのことだ。つまり投資会社として保有している株から借り入れを差し引く。これが時価の純資産で、いくら増減したのかのみが投資会社として業績を測るものさしだ」との持論を展開。「NAVは9月末で27兆円だった。この6カ月間で5.6兆円増、総じて6兆円弱増えた。それが(本当の意味で)ソフトバンクGの業績動向を示す」と説明した。

【午後4時41分】「AI革命への投資会社になる」

「ソフトバンクGはどこに向かおうとしているのか、と思っている人がいると思う」と孫社長。「ソフトバンクGは事業を直接やっておらず何なんだということがあると思うが、一言で言えば情報革命への投資会社だ。もっと言うと、ここから先は人工知能(AI)革命への投資会社になる。どんどん専念していくことになる。これ一本だ」と強調した。

【午後4時30分】オンライン記者会見が始まった。

孫社長は冒頭、「まだ世界のコロナの状況は収まっていない。難しい世の中だが、時代の進化という意味で私は最近ワクワクしている。これに対して、ソフトバンクがこれからどこに、どのように向かうのかを今日は話したい」と語り始めた。「特にこの冬は、まだワクチンの一般への普及はかなわないと思うが、来年の秋ぐらいまでには世界中が色々な意味で落ち着きを取り戻すと願っている」と述べた。

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