/

バイデン氏当確、白人労働者取り込む 世代問わず浸透

(更新)

【ワシントン=鳳山太成】米大統領選で民主党候補のバイデン前副大統領が当選を確実にしたのは、前回2016年にトランプ大統領が取り込んだ白人労働者層を切り崩して東部・中西部の激戦州を奪還したことが大きい。環境問題に関心の高い若者の支持も集めたほか、厳格な新型コロナウイルス対策を訴えて中高年層にも浸透した。

バイデン氏の勝利を象徴するのが東部・中西部のラストベルト(さびた工業地帯)だ。米メディアの共同出口調査によると、労働者に多い「白人・非大卒」の投票先は依然としてトランプ氏が多かったものの、同氏のリードはミシガン、ウィスコンシン、ペンシルベニアの各州で前回に比べて5~12ポイント縮小した。一部の白人労働者層がトランプ氏からバイデン氏にくら替えした。

トランプ氏は16年、貿易赤字を縮小させて中国やメキシコから雇用を取り戻すと訴え、30年近く続いた民主党の牙城の3州を崩した。バイデン氏は今回、米国製品の調達を優先する「バイ・アメリカン」などトランプ氏と似た製造業支援策を打ち出す「抱きつき作戦」を展開。バイデン氏はもともと労働組合票に強いこともあり、トランプ氏の支持基盤を奪い、僅差でひっくり返すことに成功した。

若者や高齢者など世代を問わず支持を広げたことも、バイデン氏が競り勝った背景にある。

バイデン氏は全米の「18~29歳」の投票先で、16年のクリントン氏より8ポイント大きいリードを確保した。若者が最も重視する争点に挙げたのが環境問題だ。温暖化対策より化石燃料の開発を優先するトランプ氏に若者は危機感を募らせた。

米調査機関の推定では全米で18~29歳の投票率が53~56%と4年前より約8ポイント上昇した。若者は環境問題や人種問題で「反トランプ感情」が強く、熱心に投票したこともバイデン氏には追い風となった。

高齢者で「トランプ離れ」も起きた。「偉大な米国の復活」を掲げたトランプ氏は16年に65歳以上の有権者から高い支持を得たが、今回は互角だった。米国では新型コロナウイルスの死者数が23万人を超えた。重症化リスクが大きい高齢者は現政権の対応に厳しい視線を注いだ。

一方、人種の多様性を訴えるバイデン氏は、ヒスパニック(中南米)や黒人などの少数派(マイノリティー)で期待したほど票を伸ばせなかった。事前の世論調査でリードしていたが、蓋を開けるとトランプ氏と各州で接戦となり結果判明まで長期化する要因となった。

民主党は当初圧勝を期待したが、大票田の南部フロリダを序盤に落としてそのシナリオは消えた。トランプ氏が3ポイント超の得票差をつけて連勝した。合法的な移民として米国に移り住んだヒスパニックの一部は不法移民に強硬なトランプ氏の支持に回った。

バイデン氏の勝利は政策や人柄で有権者を引きつけたというよりも、現政権の4年間に不満を持つ「反トランプ票」を取り込んだ側面が大きい。バイデン氏が正式に大統領に就任しても、多様な有権者の期待に応える政策を実行していくのは簡単ではない。

米大統領選

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン