日本製鉄の21年3月期、事業損益600億円赤字
日本製鉄は6日、2021年3月期の連結事業損益(国際会計基準)が600億円の赤字(前期は2844億円の赤字)になりそうだと発表した。従来予想(1200億円の赤字)から上方修正した。新型コロナウイルスを受けて落ち込んだ自動車メーカーなどの生産活動が回復傾向で、鋼材販売数量が従来想定よりも上向く。
事業損益は持続的な事業活動の成果を示す。初めて通期見通しを公表した売上収益は前期比19%減の4兆8000億円、最終損益は1700億円の赤字(前期は4315億円の赤字)。
連結粗鋼生産量は2割減の3720万トン程度と従来予想から90万トン引き上げた。上半期は前年同期比3割減だったが、下半期は1割減まで戻る。一時休止していた東日本製鉄所君津地区の高炉と、改修中の室蘭製鉄所の高炉を11月下旬をメドに再稼働する。公表している生産設備縮小の実施前倒しや追加策について引き続き検討する。
同日発表した20年4~9月期連結決算は、売上収益が前年同期比26%減の2兆2419億円、最終損益が1911億円の赤字(前年同期は387億円の黒字)だった。