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米議会選、上院は拮抗 「ねじれ」解消は不透明

(更新)
予算編成や立法の権限を持つ議会の構成は次期政権の政策実現に影響を及ぼす=ロイター

【ワシントン=中村亮】米大統領選と同時に実施した連邦議会選では、民主党が下院で過半数の議席を維持する見通しになった。上院は接戦が続き、上下両院で多数派が異なる「ねじれ」が解消するかは不透明だ。予算編成や立法の権限を持つ議会の構成は次期政権の政策実現に影響を及ぼす。

CNNテレビによると米東部時間6日午前7時(日本時間同日午後9時)時点では、全435議席が改選となった下院で民主党が208、共和党が196を固めた。残る31が激戦になっているが、民主党は過半数の議席を得る見通しだ。民主党は2018年の中間選挙で下院の多数派を8年ぶりに奪回していた。

民主党のペロシ下院議長は5日、同僚議員と電話会議を開き、米メディアによると「我々は下院(の多数派)を維持した」と説明した。21年1月招集の新議会では、医療費低減やインフラ整備に重点的に取り組む考えを強調。国民皆保険制度や警察予算の削減といったリベラル派が好む政策から距離を置いた。

背景には党内でのリベラル派の台頭をけん制する狙いがある。議会選では、東部ニューヨーク州14区のアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員ら若者に人気の高いリベラル派が続々と勝利を確実にした。一方で南部バージニア州7区の穏健派アビゲイル・スパンバーガー下院議員は苦戦。電話会議で党の左傾化を苦戦の理由にあげ「このままでは党が分裂する」との見方を示した。

選挙前の予想では民主党が下院で圧勝するとの見方があったが、実際には議席を減らす可能性が出てきた。南部フロリダ州では共和党が少なくとも2議席を民主党から奪回する見通しだ。共和党のトランプ大統領が同州で予想以上の勢いを見せ、下院選にも影響したとみられる。中西部ミシガンやアイオワ、ミネソタ各州でも共和党が議席を奪回する公算が大きい。

共和党が過半数を占める上院(定数100)は、補選を含めて35が改選になった。CNNによると、共和党と民主党が非改選を含めてそれぞれ47を固めた。残る6のうち共和党はアラスカ州での勝利が見込まれる。東部メーンと南部ノースカロライナ両州でもリードし、50を確保できるとの見方が目立つ。

ただ上院運営の主導権を握る過半数の確保には曲折がありそうだ。南部ジョージア州では開票率98%で、共和党のデビッド・パーデュー上院議員が49.9%で民主党候補を2.1ポイント上回る。同州のルールではパーデュー氏の得票率が過半に達しないと、民主党候補との決選投票を来年1月に行う。これとは別に実施した同州補選でも決着が決選投票に持ち越された。

上院では与野党の議席が50対50になると、上院議長を務める副大統領の1票の重みが増す。仮に民主党のバイデン政権が誕生した場合、民主党は上院で50を確保すれば事実上の過半数を握ることになる。共和党がバイデン政権の政策や人事を妨げるには51を得る必要がある。ジョージア州の2議席が上院の過半数を左右する展開になれば決選投票への注目がいっそう高まる。

議会は予算編成や立法の権限に加え、政権の監視役も担う。上下両院の多数派は委員長職を握り、調査権限を持つ。政権の疑惑を調べるため証人を召喚したり、文書の提出を求めたりする強力な権限がある。下院が19年、職権乱用を理由にトランプ氏を弾劾訴追したのも政権監視の一環だ。

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