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JR四国、経常赤字63億円 4~9月で過去最大

JR四国が6日発表した2020年4~9月期の連結決算は、経常損益が63億円の赤字(前年同期は18億円の黒字)だった。国の支援策の運用益を加えても黒字を維持できず、中間期としては過去最大の経常赤字となった。記者会見した西牧世博社長は「今までの厳しい局面とは様相が異なる」と述べ、新型コロナウイルスの影響が長引く状況に強い懸念を示した。

記者会見するJR四国の西牧社長。「今までの厳しい局面とは様相が異なる」と述べた(6日、高松市)

売上高は54%減の115億円だった。減収額(137億円)の内訳では鉄道事業(約74億円)が全体の5割強を占め、ホテル事業、物販事業、バス事業などが続いた。西牧社長は「減収額が極めて大きい。影響は一過性にとどまらない」と述べ、今後も早期の収益拡大が見通せないとの認識を示した。

JR四国の路線では岡山県と四国を結ぶ「瀬戸大橋線」以外は赤字で、これまでも通年で100億円規模の営業赤字を計上してきた。その営業赤字を補填する前提で、国の基金の運用益を営業外損益に計上し、経常黒字を維持してきた。

しかし20年4~9月の経常赤字(63億円)は、これまでの中間決算で過去最低だった11年(8億円)の約8倍の規模に達する。11年には東日本大震災の影響を受けたが、徐々に利用者は回復。豪雨や台風の被害の際もある程度先を見通せたが、コロナ下の鉄道利用動向は「回復したと思えば下がる。予想が付かない」(西牧社長)。先行きが不透明であるとして、21年3月期の業績見通しは「未定」を据え置いた。

JR四国は今後、鉄道事業の利用促進のほか、グループ会社の生産性の向上、鉄道以外の事業の強化を進める。鉄道事業では詳細な利用者の動向調査を始め、現在の利用者や非利用者の意識を調べる。バス会社など他の交通事業者と乗り入れが可能な「サブスクリプションのサービスを導入したい」(西牧社長)という。地域を限定したり、切符を新たに購入したりせずに使えるサービスの導入を検討する。

グループ全体で業務のデジタル化が進んでおらず、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進も課題だ。西牧社長は「デジタル化でビジネスのあり方を変え、構造改革・体質改善を図る。経営姿勢も変える」と強調した。コスト削減にも踏み込み冬のボーナス削減を組合に提案する。

JR四国は5カ年の中期経営計画を年内に公表する。抜本的な経営改革案と収支計画の方針が求められているが、「妙案がなく、暗中模索が続いている」(西牧社長)状態だ。

終電の前倒しを来春のダイヤ改正に反映する見込みだが、廃線の可能性について西牧社長は「存続か否かの議論を始めることだ大事だ」と述べるにとどめた。収益の改善に寄与する値上げについても、コロナが収まってからの方針を示していて1年半ほどかかることが予想される。

(亀井慶一)

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