東レの21年3月期最終、60%減に下振れ 炭素繊維の減損で
東レは6日、2021年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比60%減の340億円になりそうだと発表した。従来予想(53%減の400億円)から下振れする。航空機需要が落ち込み、米炭素繊維子会社で減損損失を計上した影響が出る。一方で家電向けの樹脂などは堅調で、売上高に当たる売上収益や本業のもうけを示す事業利益の予想は上方修正した。
売上収益は11%減の1兆8600億円(従来予想は12%減の1兆8400億円)、事業利益は36%減の800億円(同44%減の700億円)を見込む。上期に家電に使うABS樹脂や秋・冬物衣料向けの繊維製品などの出荷が想定を上回ったことなどを反映した。
下期は自動車需要の回復に伴い、エンジン回りに使う樹脂製品やリチウムイオン電池関連のフィルム、エアバッグ向けの繊維製品も持ち直す。スマートフォン向けのフィルムなども出荷が増えるとみる。炭素繊維複合材料は航空機向けが低迷するものの、風力発電翼用の出荷は「非常に堅調に推移していく」(阿部晃一副社長)見通しだ。
同日発表した20年4~9月期の連結決算で、純利益は前年同期比91%減の44億円、売上収益は19%減の8560億円だった。
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