中国、ワクチン工場から菌流出 6600人感染

【大連=渡辺伸】中国内陸部の甘粛省蘭州市で2019年7~8月、動物用ワクチンを製造する工場から病原菌が漏れ、住民ら6620人がブルセラ症に感染した。市当局が5日、発表した。同当局は19年12月、工場の付近にある研究所の職員ら203人が感染したと発表していた。感染者が大幅に修正されており同当局が情報を隠蔽していた可能性がある。
ブルセラ症は牛や豚、犬などのほか、人にも感染する。20年9月、中国メディア「財新週刊」が感染者は3千人以上と報じた。報道を受けて市当局は10月、3669人の感染者がいたと発表。5日の発表で、市当局が再び感染増加を認めた形だ。
財新によると、感染者の一部は昨年夏から現在まで発熱や関節炎、疲労などの類似した症状が繰り返し出ているという。