ホームでの車いす介助拡充 JR九州、他駅に拡大も

駅ホームで車いす利用者が列車を乗り降りする際の介助を巡り、JR九州が宮崎県川南町の川南駅で、グループ社員に限定していた介助を町職員にも認めることが6日、同社への取材で分かった。改善を求めた高校生の署名活動がきっかけで、9日から実施する。
JR九州では業務効率化のため、駅の無人化や自治体への業務委託を進めており、社員が不在の駅も増えている。同社が社員以外に介助を認めるのは初めてで、他の駅への拡大を検討する。
川南駅では切符の販売などの業務を町に委託。ただ、車いす利用者の介助は安全を確保するとの理由でグループ社員に限っており、駅に常駐する町職員は行うことができなかった。介助を受けるには利用者が事前に連絡し、別の駅から社員に来てもらう必要があった。
今年7月、車いすで生活する川南町の高校3年生が約8200人の署名を集めてJR九州に改善を要望。安全研修を受けた職員であれば、介助できるようになった。
JR九州では、全568駅のうち304駅が無人駅となっている。大分市内では9月に、駅の無人化で列車の利用が制限され移動の自由を侵害されたとして、障害者3人が同社に損害賠償を求めて提訴している。
〔共同〕