ライオン、一時10%高 業績上方修正を好感
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6日の東京株式市場でライオンの株価が一時、前日比212円(10%)高の2431円まで上昇した。前日に2020年12月期の連結業績を上方修正し、好感した買いが集まった。終値は206円(9%)高の2425円だった。

20年1~9月期の決算発表に併せ、今期の営業利益予想を前期比39%増の415億円に上方修正。従来予想から20億円上振れる。新型コロナウイルスの流行が長引き、ハンドソープ「キレイキレイ」など衛生品の需要が底堅い。同製品を含むビューティケア分野の売上高は1~9月期に前年同期比で42%増加した。
販売促進費を抑制しても売れ行きが好調なため、コスト削減効果が出る。6日の決算説明会で掬川正純社長は「需要増に応えるべく生産能力を増強している」と話した。外出自粛で家事をする時間が増え、家庭用洗剤も伸びる。
株価は前日まで、7月末につけた上場来高値の2823円から2割ほど下げていた。auカブコム証券の河合達憲氏は「好材料出尽くしで軟調だっただけに、上方修正がポジティブサプライズになった」と話す。
ただ、今期が好調なためゴールドマン・サックス証券の山口慶子氏は5日付のリポートで「来期にかけてビューティケアの増収率は低下する」と指摘する。市場の一部では今後の株価調整を警戒する声もある。
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