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コロナ対応、積極検査呼びかけ 日経・FT感染症会議

専門家らが新型コロナへの対応検証と課題抽出をテーマに議論した(6日午前)

地域医療機能推進機構理事長の尾身茂氏(政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会会長)らは6日、横浜市で開催中の第7回日経・FT感染症会議で日本のコロナ対応・対策の検証と今後の課題をテーマに討論した。経済活動と感染防止対策の両立への対応や、2021年の東京五輪・パラリンピックに向けて検査態勢の強化が重要との指摘が相次いだ。

日本はこれまで欧米各国に比べ死亡者数が少なく抑えられている。当初は検査能力が限られ、検査の目詰まりを指摘する声が強かった。死亡者数が抑えられた理由について、世界保健機関(WHO)の進藤奈邦子シニアアドバイザーは、「地域の保健所が丁寧に疫学調査を進め、地域医療が機能した」と分析した。「検査と感染対策とが結びついていないと、検査をいくら増やしても意味がない。検査能力が限られる中でこれだけうまくやったのは途上国など他の国の希望だ」と評価した。

現状、目詰まり感は一定程度解消されていると評価する一方で、冬に向けて気温が下がり、欧州などのように感染の再拡大が迫っているという危機感を共有。さらなる検査態勢の向上を求める意見は相次いだ。

国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、「小規模な医療機関や介護施設では、検査態勢がまだまだ充実していない」と危機感を示し、「感染者が出た際に周囲の人を一気に検査できるかどうかが、感染拡大を防ぐのに重要だ」との認識を示した。京都大学医学部付属病院の田沢裕光特任病院教授は、「(医療介護従事者などの)エッセンシャルワーカーへの定期的な検査を進めれば、社会経済活動の本格的な再開につながる」と提案した。

8月まで厚生労働省の医務技監を務めた鈴木康裕氏は、東京五輪・パラリンピックに向けても「検疫所の能力を強化するのが重要」と強調した。

これに対し、世界エイズ・結核・マラリア対策基金の国井修戦略・投資・効果局長は、PCR検査などは、検体の取り方により、感染しているのに陰性となる「偽陰性」の人が一定の割合で出ると指摘。偽陰性の人に検査の意味をどう伝えるか工夫する必要があると話した。

国内の流行状況の監視については、全国の感染者の情報をまとめる仕組みが不十分との指摘が出た。国立感染症研究所の鈴木基・感染症疫学センター長は、「担当チームが、各自治体に電話で情報を集めている状況が続いている」と報告した。

国は感染者情報を集約する新システム「HER-SYS(ハーシス)」を5月に導入した。感染者情報の入力を担ってきた保健所の負担を減らすため、医療機関などが入力できる仕組みにした。ただ病院によっては入力のための体制を整備しておらず活用されていないという。保健所では患者の現状は分からないため、ハーシスへの入力情報が不十分になり流行監視にも活用できていないという。

コロナ禍の社会のあり方についての指摘も出た。東京大学の武藤香織教授は、コロナ流行下で男女の労働負担度合いに違いが見られるとの分析を紹介。「女性が大半を占める看護・介護職や、在宅勤務に伴う育児負担に悩する女性労働者が増えた」と指摘した。流行後、男性より女性の自殺者の増加幅が大きいとの統計について「これまでに見られない傾向だ」と話し、対応が必要との見方を示した。

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