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中国海警の根拠法草案 外国船に武器使用認める

沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域を航行する中国公船(2016年8月)=共同

【北京=羽田野主】中国の国会に相当する全国人民代表大会は4日、海上警備を担う中国海警局の根拠法となる海警法草案の全文を公表した。外国船が中国の管轄する海域で違法に活動し、停船命令に従わない場合は武器を使えると明記した。

沖縄県・尖閣諸島周辺の海域で衝突リスクが高まるとの指摘がある。海警局の船は武器を搭載しており、草案は国家主権の侵害があると判断して警告の効果がない場合や緊急時には使用できるとの法的根拠を付与した。

武器使用に厳格な規定がある日本の海上保安官に比べ使用要件が緩い特徴がある。

海上保安庁法はまず外国船の乗組員らの「異常な挙動」を確認するよう規定する。その上で「重大凶悪犯罪」につながりかねないなど4つの要件を全て満たさなければ人に危害を与える事態は許容されない。

海警法草案は海警側が攻撃を受ければ、中国公船の機関砲や航空機に搭載した武器も使って攻撃できると認めた。領海などに違法に侵入した外国船に拘留や引き離しなどの措置をとれるとも盛り込んだ。

中国の海洋資源や漁業などの保護を打ち出した。尖閣周辺海域にやってくる中国漁船の保護を名目に、中国公船が日本の領海に侵入するケースが増える懸念がある。

中国が重視する島しょや排他的経済水域(EEZ)、人工島を守るために必要な行動をとるとも盛った。中国が人工島を造成した南シナ海を念頭に置く。

軍の最高指導機関、中央軍事委員会の命令で「防衛作戦」に当たる方針を明記した。海警局のトップには人民解放軍の海軍出身者が就いており、海軍との一体化が加速しそうだ。草案は計80条で構成する。12月以降に可決する見通しだ。

2012年に発足した習近平(シー・ジンピン)指導部は海警局の強化を進めてきた。19年末時点で中国公船の数は130隻と海上保安庁の巡視船(66隻)の約2倍に増えた。76ミリ砲とみられる機関砲を備えた1万トン級の中国公船も確認されている。

加藤勝信官房長官は5日の記者会見で、中国海警局を巡る動向に関し「引き続き高い関心を持って注視したい」と語った。関係省庁とともに情報収集し「警戒、監視に万全を尽くす」と訴えた。

 ▼中国海警局 中国の海上保安機関で中国公船を管理する。2013年に公安省や農業省など4つに分散していた海上警察機能を集約して発足した。国をあげて効率的に任務をこなせる組織にして海上権益を守る体制にした。
 18年には軍の最高指導機関、中央軍事委員会が指揮する人民武装警察部隊(武警)内に移った。有事には軍事作戦にも参加するなど軍事的色彩を強めている。

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