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EU各国に歳出圧力 財政ルールの一時停止延長へ

【ブリュッセル=竹内康雄】新型コロナウイルスの感染第2波が欧州に広がるなか、欧州連合(EU)加盟国への歳出圧力が強まっている。

欧州で新型コロナの感染者が急増している(10月28日、南仏アルルの病院)=AP

ユーロ圏の財務相は3日、新型コロナ第2波による域内経済への影響をオンラインで討議した。各国は「回復が遅れるリスクが高まっていることを考えると、加盟国は2021年も景気回復につながる財政政策を採るべきだ」との認識で一致。財政出動を通じた景気下支えの重要性を確認した。

EUは「財政赤字を国内総生産(GDP)比で3%以内に収める」といった厳しい財政ルールを持つ。各国が放漫財政に走って財政が悪化すれば単一通貨ユーロの信頼が揺らぎ、EU全体に悪影響を及ぼすからだ。

新型コロナの感染が広がり始めた3月、EUはこのルールを一時的に停止し、各国にコロナ関連の経済対策を促した。EUのジェンティローニ欧州委員(経済政策担当)は今月3日の記者会見で「(ルールの一時停止で得られている)財政出動余地を加盟国は活用する必要がある」と21年も適用する考えを表明した。

感染の再拡大を受け、各国は雇用維持や休業補償などを目的とした追加対策に着手した。3~5月に続いて厳しい外出制限を導入したフランスは、200億ユーロ規模のコロナ対策を含む補正予算案の編成を準備。イタリアは54億ユーロ規模の対策を検討し、スペインも具体策を議論している。

度重なる財政出動で財政状況の悪化は確実。フランスは9月時点で公的債務残高がGDP比117.5%、財政赤字が10.2%と予測していた。デュソプト公会計担当相は仏紙に、補正予算編成後はそれぞれ119.8%、同11.3%に膨らむとの見解を示した。

EU統計局によると、仏伊やスペインの6月までの公的債務残高は19年に比べてすでに15ポイント程度悪化している。コロナ第2波がその傾向に拍車をかける。欧州委員会が5日発表した経済見通しでは、イタリアの20年は159.6%、スペインは120.3%と前年からそれぞれ25ポイント前後悪化する。ギリシャは200%を超えるという。

今のところ、イタリアの長期金利が0.6%台まで下がるなど、債券市場は安定している。欧州中央銀行(ECB)が1兆3500億ユーロ(約166兆円)の資産購入枠を新設し、国債を大量に購入して金利を力ずくで押し下げているためだ。

ECBは12月の次回理事会で追加金融緩和を決める見通しだが、禁じ手である中央銀行による財政赤字の穴埋めに近づいているとの懸念も高まっている。ECBの総資産は10月末時点で6.8兆ユーロと、昨年末の水準から4割以上も膨らんだ。

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