健保組合の解散危機、1年早まり21年度に 健保連試算
コロナで財政悪化

新型コロナウイルスの感染拡大で企業などが運営する健康保険組合の財政が悪化する見通しだ。健康保険組合連合会(健保連)は5日、コロナによるリスクを踏まえた今後3年間の収支見通しを発表した。解散が多発する水準まで保険料率が上昇する時期が、これまで想定していた2022年度よりも1年早まり、21年度になると試算した。
見通しによると全国約1400の健保組合の合計で保険料収入は19年度の8兆2千億円から、20年度は7兆9千億円、21年度と22年度は7兆6千億円に減少する。企業業績の悪化で賃金が低下し、企業や従業員が納める保険料が減少する。一方、患者の受診控えが徐々に解消することで医療費の支出は増え、収支が悪化する。
21年度は6700億円の赤字見通しで、収支均衡に必要な保険料率は10.2%となり、解散危機の目安である10%を超える。10%は中小企業の会社員らが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)の料率のため、企業が自前で健保組合を持つ利点が損なわれる。
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