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「広域行政一元化」条例提出へ 大阪市長、総合区も検討

記者会見する松井一郎大阪市長(5日、大阪市役所)

「大阪都構想」の住民投票での否決を受け、大阪市の松井一郎市長(大阪維新の会代表)は5日、府・市の広域行政の一元化に関する条例策定を目指す考えを示した。府・市による「二重行政」を解消し、一体的な政策を続けるため制度化する狙いとみられる。大阪市を残して区長の権限を強化する「総合区制度」の検討にも言及した。

「府・市一体、広域行政一元化の条例を作ればよいと思っている。都構想の代案だ」。松井氏は5日の記者会見でこう切り出した。関連の条例案を2021年2月の市議会に提出する方針も示した。

条例案の内容については、府・市と堺市が成長戦略や広域行政などを話し合う「副首都推進本部会議」の仕組みを盛り込むことなどを挙げ、市が府に広域行政を事務委託することも検討すると説明。詳細は都構想の制度設計を担ってきた府・市の「副首都推進局」が今後詰めるとした。

松井氏の方針の背景には、都構想は否決されたものの賛否は僅差で、二重行政解消に期待する市民は多いとの受け止めがある。

日本経済新聞社などが10月中旬に行った電話世論調査で都構想の賛否は拮抗したが、賛成理由(複数回答)は「二重行政の解消によるコスト削減」が59%で最も多く、「二重行政の解消による速い意思決定」(47%)が続いた。

吉村洋文知事(維新代表代行)も5日、記者団に「これからの検討だが、単なる理念条例ではなく、具体的な条例にすべきだ」と強調。「(府・市がどちらもやっている)広域の事務を特定し、仕事が明確になるような条例案を2月議会に提案したい」と述べ、松井氏と足並みをそろえた。

一方、松井氏は公明党が当初、都構想の代案として提案していた「総合区制度」についても検討する姿勢を示した。

大阪市を廃止して4特別区を設置する都構想は、市の広域行政の権限と財源を府に移譲することになっていた。総合区制度は大阪市を維持したまま、区長の権限を強化して住民サービスなどの拡充を図る狙いがある。

公明は24行政区を8総合区に再編する案を提案していたが、19年4月の府知事・市長のダブル選で維新が大勝したことを受け、取り下げていた。

松井氏は5日の会見で「公明から提案を受けたらすぐやる。区長の裁量を拡大でき、今より住民に寄り添える」と述べた。大阪市で総合区をつくる場合は、市議会で設置内容を盛り込んだ条例案を可決する必要がある。府議会では審議されない。

総合区制度は15年の前回の住民投票で都構想が否決された際、橋下徹市長(当時)が市幹部に検討を指示した。地方自治法の改正で16年4月から設置可能になった。全国で実現した例はない。

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