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ユーロ圏、再びマイナス成長へ 10~12月予測

欧州最大の経済大国、ドイツでも飲食店の営業禁止など厳しい措置が導入された(2日、ベルリン)=ロイター

【ベルリン=石川潤】新型コロナウイルスの感染拡大で、欧州経済が再びマイナス成長に陥る見込みとなった。欧州連合(EU)の欧州委員会が5日発表した経済見通しによると、ユーロ圏の10~12月の実質成長率は前期比でマイナス0.1%と2四半期ぶりに水面下に落ち込む。景気の二番底が現実味を帯び、失業の増加や財政悪化への警戒も強まりつつある。

「感染の再拡大が不確実性を高め、回復が中断された」(欧州委員会)。11月に入ってベルリンやパリ、ブリュッセルなどの大都市の繁華街から人影が消えた。主要国が相次いで導入した飲食店の営業禁止や外出制限などの規制が経済を直撃し、当初描いた4~6月を底とする回復シナリオは修正を迫られた。

10~12月に再びマイナス成長に落ち込むことで、成長率のグラフはV字型からW字型に姿を変えつつある。国別でみると10~12月のマイナス幅はフランスが1%、ベルギーが0.7%で、感染状況が厳しい地域ほど景気の落ち込みも大きい。

新しい経済見通しでは、2020年の成長率は前年比マイナス7.8%で、夏場の回復を受けて前回(7月)のマイナス8.7%から上方修正した。だが、21年は前回のプラス6.1%から4.2%に大きく引き下げた。国内総生産(GDP)の水準は22年になっても危機前水準には達しない見込みで、低迷の長期化が鮮明になった。

各国が再び都市封鎖(ロックダウン)に踏み切り、危機の出口が遠のくにつれて、全雇用の75%を占めるサービス業を中心に失業への不安も高まっている。欧州委員会は危機前に7%台前半だった失業率が20年に8.3%、21年に9.4%に上昇し、22年も8.9%で高止まりすると見込む。

失業の増加は消費や税収の減少に直結するだけでなく、働き手から技能の習熟の場を奪うことで生産性の低下につながる。ユーロ圏では25歳未満の失業率が約18%と全体(約8%)に比べて高く、社会不安を引き起こしやすくなっている。

各国政府は勤務時間の短縮を迫られた働き手の給与を補償するなどの対策を延長して失業の増加を抑えようとしているが、危機が長引くほど財政負担が重くなる問題もある。今回の見通しによるとユーロ圏の財政赤字は域内総生産(GDP)比で19年の0.6%から20年は8.8%に広がり、21年も6.4%と厳しい状況が続く。

物価上昇率の見通しは20年が0.3%、21年が1.1%、22年が1.3%とした。欧州中央銀行(ECB)の目標である「2%近く」には及ばず、デフレのリスクも消えない。物価は上がらないと企業や消費者が感じるようになれば、投資や消費にますますお金が回りにくくなる。コロナ禍で経済が冷え切ってしまえば、後遺症がかなり長く残る可能性もある。

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