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海運3社そろって上方修正 今期経常 コンテナ船が「親孝行」

海運3社がそろって2021年3月期の業績予想を上方修正した。日本郵船は5日、経常利益予想を従来の200億円から700億円に引き上げ、川崎汽船も同日、赤字とみていた経常損益をゼロに修正した。新型コロナウイルスの影響で春先に低迷した荷動きが持ち直し、コンテナ船の収益が急拡大した。3社で設立したコンテナ船の統合会社が想定外の「親孝行」をしている。

3社の上方修正の主因は、共同出資するコンテナ船会社「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」の収益回復だ。夏以降、米国向けの家具など巣ごもり関連の需要が好調に推移し、8月の荷動きはここ数年で最高の水準に高まった。荷動きが活発になるにつれ、積載率が高まり、運賃も高騰した。

ONEに最も多く出資する郵船は、コンテナ船を含む定期船事業の今期の経常利益予想を15億円から405億円に引き上げた。商船三井もコンテナ船事業の予想をゼロから300億円に上方修正した。

川崎汽船の山鹿徳昌執行役員は「上期に荷動きが大きく落ちたとき、適切に船の供給量を調整できた。こういった取り組みを継続できれば、荷動きの調整局面でも大きく状況が変わることはなさそう」と話す。

自動車運搬船については各社の見方がわかれている。川崎汽船は自動車運搬船などの通期予想を引き上げた。コンテナ船の好調と合わせて、全社では前期に続いて黒字を確保できる見通しで、2期連続の黒字は16年3月期以来となる。

一方、郵船は自動車運搬船の通期予想を下方修正した。丸山徹執行役員は「欧州や資源国向けが5月末の想定より回復のスピードが緩やかになりそう。米国向けは好調だが、コロナの第2波の影響が読みにくい」と話す。郵船の下期の輸送台数は前年同期比19%減で、従来予想の9%減から減少幅が拡大した。

「期初は非常に悪い一年になると見ていたが、真逆の一年になりそうだ」。海運大手幹部からは明るい声が聞かれる。ただ、収支管理は例年以上に徹底し、船隊規模の縮小や不採算船の早期返却などで赤字が出にくい体質への転換を進める方針だ。足元では欧州を中心にコロナの感染が再拡大し、一部の国ではロックダウン(都市封鎖)も起き、再び逆風が強まりかねない。

川崎汽船はばら積み船や自動車船を中心に20隻以上の売却や返船を進める。郵船はばら積み船の早期返船で、175億円の特別損失を計上。丸山執行役員は「コンテナや航空貨物の業績が好調なので、ばら積み船の構造改革をできるだけ進めたい」と話し、下期も船隊の見直しを継続することに含みを持たせた。

郵船は大幅な通期の上方修正を受けて、期末配当予想を修正。年間配当は前期比10円増の50円とした。5日の昼休みの発表を受けて、午後の東京株式市場で郵船株は一時前日比31円(2%)高まで上昇した。終値は10円(1%)安だった。

5日発表した郵船の4~9月期の連結決算は売上高が前年同期比12%減の7220億円、経常利益は3倍の474億円だった。川崎汽船の売上高は19%減の3001億円、経常利益は25%減の99億円で、両社ともに9月末に公表した業績修正の予想値を上回った。

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