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エチオピアで衝突、ノーベル平和賞の首相が反撃命令

ノーベル平和賞の授賞式に出席したエチオピアのアビー首相(2019年12月、オスロ)=ロイター

【カイロ=久門武史】アフリカ東部のエチオピアで中央政府と同国北部のティグレ州政府の対立が軍事衝突に発展し、死傷者が出た。アビー首相は4日、連邦政府軍が同州で攻撃を受けたとして、軍に反撃を命じた。中央政府は同州で6カ月間の非常事態を宣言した。アビー氏は2019年のノーベル平和賞受賞者。

首相府は4日、同州政府の与党、ティグレ人民解放戦線(TPLF)の軍事部門が、同州の連邦政府軍の拠点から装備を奪おうとしたと指摘した。「TPLFは戦争の道を選んだ。一線を越えた」と非難した。エチオピアからの報道によると、同州でインターネットや電話が遮断された。

アビー氏はテレビ演説で、TPLF側の攻撃により「多数の死者、負傷者が出て、財産が侵害された」と述べた。AFP通信によるとTPLF幹部は先週「我々が最初の1発を撃つことはない」と主張していた。

中央政府とティグレ州の緊張は、同州が9月に連邦政府の反対を押し切り連邦・地方議会選を強行して高まった。連邦議会は10月に「違法」と判断し、選出された州政府と関係を断絶する決議を採択した。エチオピアは8月に予定した議会選を新型コロナウイルスの感染拡大を理由に延期していた。

事態悪化の背景には、多民族国家エチオピアの国内事情がある。アビー氏は最大民族のオロモ出身で、2018年、首相に就任した。それまで政権を主導していた少数民族ティグレは、アビー氏がティグレを冷遇していると非難した。アビー氏はティグレを抵抗勢力とみなしているもようだ。

ティグレ州の人口はエチオピア全体(約1億1000万人)の5%程度だが、比較的豊かで政治力が強い州だ。かつて国境紛争のあったエリトリアとの国境地帯にある。

アビー氏は18年にエリトリアと国境紛争の終結で合意。19年には紛争終結など「平和と国際協力を実現させるための努力」をしたことを理由にノーベル平和賞を受賞した。だが、TPLFとの衝突で国内の紛争に苦慮する姿が明らかになった。

国際社会からはティグレ州を巡る衝突に懸念の声が相次ぐ。国連のグテレス事務総長は平和的な解決を求める声明を出した。ポンペオ米国務長官は「生命が失われたことを嘆き、平和の回復へ直ちに行動をとるよう求める」と表明した。

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