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福岡空港国際線、じわり再開 シンガポールなど

新型コロナウイルスの感染拡大で運休が続いていた福岡空港(福岡市)発着の国際線が、少しずつ再開し始めている。5日にはシンガポール便が7カ月半ぶりに運航した。日本政府の入出国条件の緩和でビジネス利用を期待するが、当面は旅客数は厳しい状況で、需要喚起やプロモーション目的の「先行投資」の意味合いが強い。

再開したシンガポール航空便から降り立った乗客はまばら(5日、福岡市)

同日再開したのは、シンガポール航空の便。だが、出発前のチェックインカウンターに、搭乗者の姿はまばらだった。それでもザック・リュウ九州中国沖縄地区支配人は「九州は大事なマーケット。シンガポール、東南アジアと再びつなぐことができてとても興奮している」と話した。

同社によると、福岡発便は日本に足止めされていた外国人の帰国やシンガポールへのビジネス需要が見込めるという。当面は週1往復の運航だが「需要増や出入国制限の緩和を見据えて増やす予定」(広報)とする。

先行して定期便を再開した成田、関西国際両空港ではこのほど、増便した。貨物需要があるためで、医療品など小口貨物を客室に混載する取り組みもしている。リュウ支配人は福岡発便では「九州の豊富な農産物や生鮮品を送れる」とする。

モノだけでなく人の動きも出てきたソウル便では、アシアナ航空が10月中旬に福岡―仁川国際空港間の臨時便で再開した。金範洙福岡支店長は「企業からの強い再開要請があった」と話す。

同月28日には第2便が福岡を飛び立った。同社は仁川を起点に中国や東南アジア、欧米などとの間で運航を再開している。乗り継ぎ客の取り込みを狙って、東南アジアへの接続がしやすいよう福岡出発日を当初予定から1日遅らせた。

技能実習生の支援機関にも案内を出すなど「手探りで顧客を探し出した」(韓光福販売部長)ことで、搭乗率は4割と初便から倍増した。同日のカウンターには大分や熊本で働くカンボジア人実習生の姿があり、乗客の3割が乗り継ぎ目的だったという。

11月は23日に運航する。政府が一部の入国要件を緩和したことを受け、これまで貨物だけだった仁川発も旅客便にする。担当者は定期便再開に向け「明るい材料であるのは間違いない」と話した。

台湾・台北便では台湾のエバー航空がコロナ下でも運航を継続してきた。広報担当者は「貨物需要があった」と明かす。同路線では中華航空(チャイナエアライン)も9月に運航を再開しており「ビジネスや留学生向けに一定のニーズはある」という。

フィリピン航空はマニラ便を7月に再開し、10月に週3往復に増やした。同国政府が経済特区内にある企業の外国人らの入国を認めたことで需要が広がりそうだとする。

福岡空港の国際線は6月を底に増えてきたものの、コロナ感染拡大前の1割にも満たない。空港運営会社である福岡国際空港の担当者は「(再開に向け)一緒に検疫当局に交渉するなど『援護』をしている」と話す。

九州運輸局によると、2019年の九州での外国人入国者数は422万人だった。今年は4月以降、前年の1%に満たない水準が続いている。岩月理浩局長は「ビジネス客が少しずつ増えることで、観光客受け入れ体制の構築にもつながる」と期待する。(今堀祥和)

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