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米大統領選、120年ぶり高投票率 66% 郵便投票普及

(更新)
郵便投票の増加が投票率上昇の一因となった(4日、米東部ペンシルベニア州)=AP

【ワシントン=鳳山太成】米大統領選は約1億6千万人が投票し、投票率が66%超と120年ぶりの高水準になる可能性が出てきた。有権者の関心が高く、郵便投票が普及したためだ。民主党候補のバイデン前副大統領は5日までに史上最多の票数を獲得し、中西部のラストベルト(さびた工業地帯)で共和党候補のトランプ大統領を追い上げた。

米CNNによると、米東部時間5日午前10時(日本時間6日午前0時)時点でバイデン氏は全米で約7200万票を獲得した。過去最多だった2008年のオバマ前大統領(約6950万票)を上回った。トランプ氏も約6800万票と、前回16年(約6300万票)を既に上回っている。開票が進めば投票総数はさらに増える見通しだ。

人種問題への対応から中国との貿易戦争まで米国内外を大きく揺るがした異端のリーダーに対する審判に有権者の関心が高まったほか、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて各州が条件緩和に動き、郵便投票を選ぶ有権者が急増した。

米フロリダ大の「米選挙プロジェクト」によると、郵便投票を含む期日前投票は1億人超と過去最多に膨らんだ。投票率は66%超と1900年以来の高さになると予測する。第2次世界大戦後の投票率は公民権運動のあった60年代には62%を超えていたが、その後は2000年代に入るまで50%台が続いていた。

記録づくしの投票は、開票過程で異例の展開を生み出した。

バイデン氏が事前の世論調査でリードして3日の投票日を迎えたが、開票が始まるとトランプ氏が激戦州の南部フロリダを制すなど予想を上回る強さを示した。それが4日を迎えて郵便投票の集計が進むにつれ、バイデン氏が票を積み上げた。

「昨夜には私が重要州で優勢だったのに、1州ずつ魔法のように(リードが)消え始めた」。4日朝、こういぶかったのはトランプ氏自身だ。最初に数えられた3日投票分は共和党の票が多く、郵便投票の集計が進むと民主党の票が増える。共和党のシンボルカラーになぞらえて「赤い蜃気楼(しんきろう)」と予測されてきた現象だ。

結果判明に時間がかかり、注目を集めたのがラストベルトだ。強硬な通商政策や不法移民対策を訴えたトランプ氏が16年に白人労働者層を取り込み、民主党地盤を切り崩して勝利、当選を決定づけた地域だ。

トランプ氏が前回0.2ポイントの僅差で競り勝った中西部ミシガン。今回も開票率20%の時点ではトランプ氏が20ポイント差で優勢にみえたが、開票率が上がるにつれて徐々に差がつまり、最終的に逆転したバイデン氏が約2ポイント差で勝利を確実にした。同州は郵便投票を3日より前に集計しないため、決着まで長引いた。

バイデン氏は同様に中西部ウィスコンシンも制した。米メディアの共同出口調査によると、労働者が多い「白人・非大卒」の投票先は、トランプ氏のリードが前回より12ポイント縮まった。労働組合の組合員の投票先でも、バイデン氏が16年のクリントン元国務長官を9ポイント上回る差をつけた。

バイデン氏はラストベルトを構成する東部ペンシルベニアの中流家庭の出身。「冷徹」との評がつきまとったクリントン氏を好感度で上回った。

「驚きはない」。ウィスコンシンの酪農家、ミッチ・ブライニッグさんは4日、結果を淡々と受け止めた。16年はトランプ氏に期待して1票を投じた。現政権が仕掛けた貿易戦争に不満を抱き、今回は入れなかった。

ラストベルトの有権者は揺れ動き、20年の接戦を演出した。トランプ氏は各国との貿易協定の見直しで「工業品や農産品の輸出が増える」と支持層のつなぎ留めを図った一方、バイデン氏も雇用創出や保護主義的な政策をアピールした。

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