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モバゲー規約、二審も「不当」 利用停止の賠償応じず

(更新)

当社の判断で会員資格を取り消しても損害賠償には応じない――。ゲームサイト「モバゲー」の利用規約について、東京高裁は5日、一審に続き不当な免責条項に当たるとの判断を示した。消費者がネットサービスを利用するには規約に同意するしかなく、納得できる利用ルールを明確に示すことが事業者に求められている。

ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営するモバゲーには各種ゲームのほか会員同士でやり取りするチャット機能がある。利用規約では「他の会員に不当に迷惑をかけた」「会員として不適格」とDeNAが判断した場合、利用停止や会員資格の取り消しができると規定。これらの措置で会員に損害が生じても「当社は一切損害を賠償しません」としている。

「課金をしたばかりでサイト内に2万円が残っているが、突然利用停止となった。問い合わせても返金しないと言われた」「身に覚えがない利用制限を受けた。理由は『教えることができない』の一点張りだった」

原告の適格消費者団体「埼玉消費者被害をなくす会」(さいたま市)はこうした苦情を踏まえ、モバゲーの条項が事業者の不当な免責を無効とする消費者契約法に違反すると訴えた。

2月の一審・さいたま地裁判決は、条項は趣旨が不明確で複数の解釈の余地があるとし、同社側が「自己に有利な解釈に依拠して運用している疑いを払拭できない」と指摘。規約の一部の差し止めを命じた。

DeNAは「誤った判断をしたと判明した場合はこの条項を適用しない。不当な免責条項には当たらない」と主張してきたが、5日の東京高裁判決もDeNAの控訴を棄却。「消費者とは情報量、交渉力に格段の差がある。事業者の誤った判断がきちんと是正されるとは考えづらい」と判断した。

DeNAは「判決内容を精査の上、今後の対応を検討する」とコメントしている。

原告側によると、モバゲーのような利用規約は通販サイトやネットゲーム事業者などインターネット関係の企業を中心に広がっているという。

不特定多数の消費者とつながるネット関連の事業者は、会員間の誹謗(ひぼう)中傷、ゲームに関連した詐欺的な行為などの様々な問題に対応する必要がある。消費者問題に詳しい弁護士は「強硬的な姿勢をあらかじめ示し、問題を起こしがちな消費者を遠ざける狙いがあるのではないか」との見方を示す。

だが「規約違反を理由に有無を言わさず利用停止に追い込まれ、泣き寝入りするケースは少なくない」と原告代理人の長田淳弁護士は説明する。

消費者契約法は利用規約のあり方について「契約内容の解釈に疑いが生じないように明確で、平易になるよう配慮すべきだ」と定めている。

消費者法に詳しい中央大法科大学院の宮下修一教授は「曖昧なルールは許されず、事業者に詳細な説明責任を求めた判決だ」と今回の高裁判断を評価。「消費者が納得して利用できる事業環境を用意し、信頼関係につなげる努力が企業側に求められている」と話している。

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