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小松プロセス、光反射のマスク直販 収益の新たな柱に

染料や反射材を手掛ける小松プロセス(石川県能美市)は、特殊なインクで加工し光を当てるとデザインが浮かび上がるマスクの販売に乗り出す。11月中に直販サイトを立ち上げ消費者に販売する。同社はガードレールなどに使う反射材などを受注生産してきた。マスク以外の最終製品開発も視野に入れ、受注の先細りリスクを回避する。

マスクの商品名は「HIKALUS」。見た目は白地の一般的なマスクだが、光を当てると色とりどりのデザインが現れる。SNS(交流サイト)の「インスタ映え」による話題性を狙う。光の反射で夜間の視認性が高まり、交通事故の防止や防犯にも役立つ。柄と色が異なる2種類あり、価格は1枚1800円(税別)の予定。

生地の表面には同社が独自開発した特殊な顔料「ニンジャインク」を施す。光が当たると隠れた絵柄が浮かび上がることから忍者に例えた。顔料に含まれる極小のガラス玉が、光を入射した方向に跳ね返す。再帰反射と呼ぶ技術で、道路標識やベストなどに広く応用されている。

ニンジャインクは主にファッション分野で使われ、著名デザイナーによりパリ・コレクションでも採用された実績がある。同社が自社製品としてマスクに着目したのは、デザインで独自性を発揮しやすいと考えたからだ。2021年2月には石川県小松市在住のデザイナーと新たなマスクを企画し、国際見本市に出展する予定だ。

日本衛生材料工業連合会(東京・港)によると、19年度のマスクの国内供給量は前年度比17%増の約64億枚。新型コロナウイルスの感染拡大により、在庫は81%減の1億6600万枚にとどまった。国内メーカーの参入により供給量は回復してきたが、新たな生活様式の定着で今後も需要は根強いとみられる。

直販事業を始めるのは、多角化により減収リスクを避けるためだ。これまで売上高の過半を占めてきた染料の販売は、新型コロナの影響で落ち込んだ。衣料品向けの需要が低迷し、3~10月は生産調整を余儀なくされたという。

20年11月期は反射材で大手建材メーカーの大型受注を獲得でき、増収増益を見込む。売上高は10%強増加し5億円に達する見通しで、反射材が5割を占めるまで上昇する。ただ、今後は不透明だ。嵐正晴取締役は「(今期は)1社に頼る形になった。受注生産だけでなく自ら稼ぐ柱が必要だ」と危機感を示す。マスクを皮切りに雑貨やアクセサリーなど、再帰反射の顔料を生かした新商品の開発も検討している。

(前田悠太)

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